内容証明郵便 (Content-certified Mail)

 

 

 内容証明とは、いつ、いかなる内容の文書を誰から誰宛てに差し出されたかということを、差出人が作成した謄本によって日本郵便株式会社が証明する特殊取扱制度のことです。 日本郵便株式会社が証明するのは内容文書の存在で、文書の内容が真実であるかどうかを証明するものではありません。

  内容証明の特殊取扱とする郵便物は、同時に書留の特殊取扱としなければなりません。 この郵便物は、法令上特異な存在であり、一般の郵便物とは異なるものの、法的拘束力は裁判所から送られる特別送達に比べて低いです。

 内容証明は郵便物の差出日付、差出人、宛先、文書の内容を日本郵便株式会社が謄本により証明する制度である。 つまり、「この手紙をいつ、誰に、この内容であなたが出しました」ということを国の業務委託を受けた日本郵便が証明するものであり、実はそれ以上の法的な効力が無いため、法律家の間では「ただのお手紙」と言われることもあります。 但し、日付、差出人、宛先、文書内容を国が証明したことで公文書となるため、法律で認められた「契約解除、債権回収」の手続き上は必要となります。 このため、裁判所への提訴・調停やADR等の非訟手続、検察庁や労働基準監督署への告発といった、俗に「訴え」と言われる法的措置の前段階として常用されています。 

 

郵便法第47条

 「内容証明の取扱いにおいては、会社において、当該郵便物の内容である文書の内容を証明する。」と規定され、同条2項で「前項の取扱いにおいては、郵便認証司による第58条第1号の認証を受けるものとする。」と定められています。

 

郵便認証司

 日本郵便株式会社の社員の中から総務大臣が任命する「郵便認証司」が認証することとなります。 認証された文書には「この郵便物は何年何月何日第何号書留内容証明郵便物として差し出されたことを証明します。 「日本郵便株式会社」の文言が入ったスタンプと郵便認証司の日付印が押されます。

 

配達証明&書留

 同時に配達証明も利用すると、郵便物が配達された事実の証明および配達日付の確認が可能です。 内容証明を用いるような郵便物は法的紛争もしくは紛争予防のための証拠とすることを意図されることが多いため、配達証明と併用することが一般的です。 内容証明は必ず一般書留扱いとしなければなりません。 同時に利用できる特殊取扱には、速達、本人限定、引受時刻証明、配達証明、配達日指定、代金引換があります。

 また、電子内容証明を除けば日本郵便が配達を行う事業所のある郵便局および日本郵便が指定する一部の郵便局の窓口で差し出さなければならず、集配を行わない郵便局では受付ができません。 但し、これらの受付箇所においては、通常の窓口だけではなく時間外窓口においても、2名以上の郵便認証司が執務していれば受付が可能です。

内容証明を出すこと自体が上記のように訴えの提起を予告するものであることから、一種の相手に対する宣戦布告であり、今後も良好な関係を継続したい場合には用いるべきではないとされており、その場合は普通郵便などで同様の内容を送ることがあります。

 逆に、悪徳商法業者や売掛金を言を左右にして払わない者に対して、「不法・不当なことには泣き寝入りしない」という強い意志を持っていることを相手方に伝えることで相手方の出方を牽制できるという面も大きいです。 訴えを起こすことを予告して相手を心理的に威迫しようとする時は、更に法律家や法的機関の関与を匂わせることもある。具体的には、

・文面で、「法的手段を取る」「提訴する」「法的機関へ告発する」ことを述べる。

・法律の専門家による文書作成、代理人委任、職印の押捺

・裁判所内の郵便局からの発送

が行われています。 尚、別に上記の手段を取らなければ発送できない訳ではありません。 

内容証明の用途(どのような場合に使用するのか?)

 基本的にはなんでも書けるのですが、主に下記のような法律がらみのトラブルの解決、特に「契約解除」・「債権回収」に用いられることが多いです。

・借家契約の家賃請求、解約、家主死亡の通知

・借地契約関係の通知

・不動産の契約解除(手付倍返し)等の通知

・商品売買時の料金未払い、商品の不着、破損に対する抗議、クーリングオフの通知

・ブラック企業に対する退職届、賃金未払い請求

・債権回収の督促状、若しくは時効により債権消滅の通知

・損害賠償請求(交通事故や不倫などの不貞行為の慰謝料請求)

・債務免除

・債権譲渡の通知

・債権の時効中断

・宗教団体などの脱会届

 

内容証明郵便の料金

紙の場合
・最初の1枚が420円、以下1枚ごとに250円を加算します。 例えば3枚の場合は  

 420+250×2=920円となります。 損害要償額が10万円までの書留料金430円 

 

   配達証明(差し出しの際)310円  

・内容証明料金に限り、料金の支払手段として切手貼付と別納(現金支払、証紙貼

 付)・計器別納(証紙貼付)は利用できても料金後納のみ利用ができません。

                                                                                                                                                

 

電子証明の場合

・最初の1枚が380円、以下1枚ごとに348円を加算します。

・差出人が郵便局に出向く必要がないのと本文の文字数が無制限である反面、これと

 別に謄本を差出人に送付するための料金が必要。(個別送付:290円、2件以上一括

 送付:480円)

・料金の支払手段は、差出人が郵便局に出向く必要がないため、クレジットカードか

 新東京郵便局が利用局として承認を受けた料金後納に限られます。

 

内容証明郵便の様式

紙様式

 紙様式による内容証明の様式は以下のとおりです。   内国郵便約款(旧郵便規則)

用紙は自由です。 約款に基づき作成されている、日本法令等が売り出している内容証明用の原稿用紙を利用すれば後述する文字数制限を使う必要はありません。 ただし、日本郵便での文書の保存期間は5年となるため感熱紙は使用できません。 公文書にA4判が採用されてからはA4判で書くことが標準的となりました。

 筆記具は自由。 ただし手書きでの作成の場合はインクの出る筆記具を用いるのが通常です。 パソコンの使用も可能であす。 実務上はパソコンやワープロにより、裁判文書と同様に12ポイントで作成することが多いです。 正本および謄本合わせて1枚あたり3通となる文書は手書きでの作成の場合はコピー、カーボン紙の利用などで謄写するのが一般的である。

 

内容証明では使用可能な文字

・ひらがな・カタカナ

・漢字

・数字(算用数字・漢数字)

・句読点、かっこ、記号。記号は、一般的なものに限る。

・英字(アルファベット)は、氏名・会社名・商品名などの固有名詞のみ使用できま 

 す。 たとえばJRは「ジェイアール」と書いても誤りではなく認められるが「JR」

 と書くことも認められます。

・内容証明は日本語でのみ作成可能です。

・内容証明の形式は自由でいいですが、同時に提出しなければならない謄本2通には

 以下のような制限事項があります。

・表裏合わせてで1枚520字以内。 1枚の表に520字を書いた場合、その裏に一文字

 でも何かを書くことは許されません。 以下における1枚あたりの行数も同じ。

・横書き1行20文字1枚26行で作成するのが標準的です。 また、以下の様式もあり

 ます。

・縦書き1行20字以内、1枚26行以内。

・横書き1行13字以内、1枚40行以内。

・横書き1行26字以内、1枚20行以内。

・句読点や記号を1個1字と計算します。 記号は一般的な記号に限ります。 単位を

 表す記号などは通常認められますが、カタカナで「パーセント」「キログラム」な

 どと書く方が確実である。 句読点については文末文頭にあるものも1字と数えま 

 す。 このため、手書きの場合は文頭に句読点が来ることもあります。 パソコン

 やワープロで文書を作成する場合禁則処理を外すか、もしくは1行の文字数を規定

 よりも1文字減らした設定(1行を20字にして書こうとしている場合は1行を19字に

 設定するということ)で文書を作成する必要があります。

・パソコンやワープロを用いる場合、半角文字についても1字と計算します。

・後述する字の訂正や挿入部分は字数に数えません。

・行の追加挿入は認められない。

・内容証明が複数頁にわたる場合綴じたもののつなぎ目に契印を押します。 文書自

 体に押印があるときはその押印と同じ印章で押印をするのが普通です。

・郵便に付するときに正本1通と謄本2通を作成する必要があります。 正本は送達さ

 れ謄本の1通は日本郵便が5年間保存し、もう1通は差出人が保存するために返却さ

 れます。

・文書以外の資料等を同封することは認められません。 内容証明では文書の存在そ

 のものが証明され、それ以外の物を同封することが認められないのです。

 

行政書士・弁護士に依頼する場合

 行政書士に依頼する場合は、内相証明郵便の文中に「本書面作成代理人行政書士青柳保廣」として、弁護士であれば「通知人代理人弁護士○○○○」として、職名と職印がつきますので、相手方に心理的なプレッシャーを与えることが出来ます。

 費用のことも含めて、弁護士に依頼するのか、行政書士に依頼するのかは、裁判外で解決する可能性が充分に見込まれる場合には行政書士に依頼、最初から裁判外で解決する余地が無いと見込まれる場合には弁護士に依頼、ということで判断するのが標準的な考えです。

 

 

 

電子内容証明

 「アオヤギ行政書士事務所」の電子内容証明利用者登録番号は、1140458275です。  電子内容証明郵便の受付はインターネットを通じて行われるため24時間、差出しを行うことができます。 このため、時間を気にせず差し出すことが可能です。 通常の紙の内容証明では郵便局で内容証明文書3部(謄本2通、原本1通)の目視確認が必要ですので、差出時にある程度の時間が必要ですが、電子内容証明サービスでは受付を行った後に自動的に3部作成・照合処理されますので簡単に差出しを済ませることができます。 なお、電子内容証明サービスは国内のみのサービスで、海外への郵便の送付又は海外から国内への郵便の送付を行うことは出来ません。

 

正本、謄本は受取人に郵送されます

 差し出された電子内容証明文書はシステム内で受取人宛ての正本はもちろん、差出人宛ての謄本も自動で印刷・封入封かんし郵送されます。 宛名は自動作成し、封筒も日本郵便株式会社が用意したものを使用するため、事前に準備する必要はありません。 また、差出人の印章も必要ありません。

 

ワープロソフトがそのまま使えます

 電子内容証明サービスでは、内容証明文書を作成する方法としてMicrosoft Word, Just System 一太郎(e内容証明ソフトウエアのバージョンにより異なります。)を利用することができます。 このため、今までこれらのワープロソフトを用いて内容証明文書を作成していた人は文書作成方法を変えることなく電子内容証明サービスに移行することができます。

 

同一文書の複数宛先への差出し (完全/不完全同文内容証明)

 同じ内容証明文書を複数の受取人に送る形態で利用する人のために、完全同文内容証明、不完全同文内容証明に対応しています。 このサービスを利用すると、複数の受取人宛てに同一の電子内容証明郵便物を簡単に差し出すことができます。 また、同報機能を使用した場合、2通目以降の内容証明料金が割引となります。(注:謄本は同報機能に対して1通のみ発行されます。)

 

CSVファイルによる連名宛先の一括入力

 完全/不完全同文内容証明を差し出す際の受取人の入力で、CSV形式のファイルによる一括入力が可能です。事前に指定されたCSV形式の受取人データファイルを作成しておけば、受取人データ入力の手間を省くことができます。

 CSVファイルは、エクセルなどで作成したデータを「ファイル名.CSV 」という形式で保存するとエクセルがインストールされていないパソコンでも、「メモ帳」などで編集できます。

 

一括差出し、謄本一括返送

 あらかじめ複数の電子内容証明文書を作成し、差出時には複数まとめて送信することができます。 また、複数の電子内容証明文書を同時に差し出された場合は各々の謄本を1つの郵便物にまとめて返送するよう指定することができます。(注:謄本一括返送は同時に複数差し出した電子内容証明郵便物のすべての差出人が同一の場合に指定可能です。) 謄本一括返送の場合は、通常の謄本返送に比べ、料金が安くなります。

 

文字制限の緩和

 通常の内容証明の規定(1行20文字/1枚26行等)は電子内容証明サービスでは緩和され、ワープロソフトで一般に用いられている範囲で自由にレイアウトし、記載することができます。(余白、最小文字ポイント、最大ページ数等の規定がありますのでご注意ください。) 概算で従来の内容証明3枚分の文字数が電子内容証明文書1枚分で記載することができます。   

 電子内容証明では一般に用いられるJIS第1、第2水準の文字を使用することができ、また最大5枚までの文書を作成することができます

 JIS第1水準漢字・第2水準漢字は、日本語の情報処理を標準化する目的にJIS (日本工業規格) が定めた定義で、JIS基本漢字とも呼ばれます。
 これは「漢字の集まりとその番号(コード)づけ」であり、その最初の規格は1978年に公開されました。    

・JIS第1水準漢字 : 2,965文字

・JIS第2水準漢字 : 3,390文字

 これら約6,300の漢字のうち、誰もが知っているような漢字はことごとく第1水準漢字に含まれ、第2水準漢字は主に馴染みの薄い字で構成されています。 細かな字形違いなどにこだわらなければ、日常的な意思疎通はこれら第1~第2水準漢字でほぼ事足りると言ってよいでしょう。

 利用者登録を行います。 電子内容証明サービスを利用するには、事前に利用者登録を行い、利用者IDを取得することが必要となります。その際、ご利用料金の決済方法によって登録作業が異なります。

 

インターネットでの利用者登録方法

  1.インターネットで利用登録

  https://www3.hybridmail.jp/mpt/regist.html

   にアクセスし、必要事項を登録する。      

   2.支払方法手続き

  クレジットカード で支払う方式を採用   

 3.電子内容証明ソフトウエア(ホームページからダウンロード)をインストール

 4.文書作成 pdfファイルに変換

 5.インターネットで作成文書をwebサーバーに送信

 

クレジットカードで支払う方法

1.ホームページにて新規利用者登録(クレジットカード利用者)を行います。
  →利用者番号が発行され、ご利用可能となります

2.登録したお客様宛てに登録確認通知書が郵送されます。

3.月々のご利用料金は登録を行ったカード会社より請求いたします。