フィリピン人の渉外養子縁組

 「横浜 アオヤギ行政書士事務所」フィリピン人の渉外養子縁組につき解説いたします。 ご質問やご意見は下記のフォームに記載の上、メールにて送信下さい。

 

 現在、日本に在留しているフィリピン人の7歳の子どもの養子縁組手続きにつき、相談を受けました。  

 フィリピン人の子どもを養子として迎え入れたい場合、は日本とフィリピン両国での手続きが必要です。 法律の適用は、日本とフィリピン両国の養子縁組に関する法律となります。 具体的には、日本は民法、フィリピンはフィリピン家族法第7章(養子縁組)、大統領令第603号(児童少年福祉法)、フィリピン共和国法第8043号(渉外養子縁組)です。 フィリピンは、1990年国連「子供の権利に関する条約」と1997年「ハーグ国際養子縁組条約」に批准しています。 

 

 「法の適用に関する通則法」31条に養子縁組の規定がありますので、国際養子の日本法の想定の範囲ですが、養子が、どこの国籍で何歳かといったことなど具体的条件がからんでくきます。 

 日本法の手続きで養子縁組できることになりますが、場合により、下記のフィリピン法も累積適用になります。

 

「法の適用に関する通則法」31条(養子縁組)
 養子縁組は、縁組の当時における養親となるべき者の本国法による。この場合において、  
 養子となるべき者の本国法によればその者若しくは第三者の承諾若しくは同意又は公的機
 関の許可その他の処分があることが養子縁組の成立の要件であるときは、その要件をも備
 えなければならない。
 養子とその実方の血族との親族関係の終了及び離縁は、前項前段の規定により適用すべ
 き法による。

 

フィリピン家族法第183条(養親の条件)

 養親は、成年(18歳)に達しており、行為能力を有するものとして、養育することが出来る資力を有する場合は、養親となることができる。 また、養親は、養子より16歳以上年長でなければならない。 注:フィリピン渉外養子縁組法第9条に、養親は申請時に27歳以上の要件としてありますので、現実には、27歳以上でなければなりません。

 

フィリピン家族法第184条(養親の欠格事由)

(1)被後見人である養子を後見人が養親となる場合

(2)反社会的な犯罪行為により、有罪判決をうけた者

(3)外国人、但し、下記は例外とする

 (a)親族を養子にする元フィリピン国籍を有するもの

   (b)フィリピン人配偶者の嫡出子を養子にする場合

   (c)フィリピン人と結婚して、その外囲ぐう者と共同でsh銀族を養子にする者

 

フィリピン家族法第187条(養子の欠格事由)

(1)成年に達したもの、(他の法律、共和国法例第8043号などの要件があり、年齢適格は、0歳~15歳となっています。)

(2)フィリピンと外交関係が無い国

 

フィリピン大統領令603号第29条(児童少年福祉法)

 配偶者の一方が外国人の場合、養親となる夫婦は、共同で養親となる夫婦共同養子縁組が、義務とされています。

 

児童少年福祉法第35条(試験監護)

 養子縁組は、養親が裁判所の監督を受け、6ヶ月以上試験監護を実施して、親としての適性を判断した後でなければ決定してはならない。 フィリピン人間の養子縁組では、裁判所は、この利益に合致すると判断したときは、申立人の請求又は職権でその期間を短縮又は、免除することが出来る。 しかし、渉外養子の場合は、試験監護期間を満了しなければならない。

 

児童少年福祉法第36条(裁判所の決定) 社会福祉事業省、または児童福祉施設の報告書、提出された資料を審査して、裁判所は、養子縁組の決定をする。

 

 

 

 

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コメント: 5
  • #1

    HIROYUKI (木曜日, 20 9月 2018 18:00)

    今年の2月に私のフィリピン人妻の長女の養子縁組届けを区役所に提出しました。その後 法務局戸籍課から連絡が有り、此の養子縁組届けは受理出来ないとの事。理由は、実父のサインが無いとの事。 実父は行方不明で有り、フィリピンで色々手を尽くし探したがみつかりません!法務局の言う事はフィリピン家庭法では、実父のサインが必要との事、後 フィリピン政府発行の此の長女は養子縁組してもOkですの証明書が必要だと言ってきました。私の知るかぎりそんな証明書類聞いた事が有りません!法務局の嫌がらせとしか考えられない!!養子縁組する長女は妻の実子です。どうすれば良いでしょうか。  宜しくお願いします。

  • #2

    青柳行政書士 (土曜日, 22 9月 2018 09:27)

    奥さんの連れ子との養子縁組は、裁判所の許可も要らないし、簡単にできますが、セーフガード条項により実父の同意が必要です。 但し、実父が死亡している場合は不要です。
    あんたのケースでは、次の方法が考えられます。
    1.家庭裁判所に、法務局を相手に、養子縁組確認訴訟をおこなう。 その場合は、実父  が行先不明などの証明が必要となる。
    2.フィリピン実父が生存しているか確認する。 生存している場合は、フィリピンの弁  護士等に捜してもらう。 
    3.法務局戸籍課の主張どおりに、フィリピンの弁護士経由でその証明が入手できるのか
      確認する
    以上です。 フィリピンの弁護士の紹介が必要であれば、代理店を紹介しますが、費用が結構高く掛ります。

  • #3

    Minmi (水曜日, 16 10月 2019 14:38)

    現在39歳なのですが、小さい頃に養子縁組をして現在 定住者。パスポートを罹災により焼失してしまい再発行手続きにフィリピンより出生証明書を請求したところ、養子縁組前の名前で登録されておりパスポートを再発行する場合、2つの方法があると大使館から言われました。
    ①日本にいて手続きをする方法
    出生証明書通りの名前で再発行。
    ※上記の手続きにより全ての身分証明書
    出生証明書の名前に変わる。在留期間等
    変わる。通称名が利用できない。
    ②フィリピンに帰国し手続きをする方法
    弁護士を立てて裁判をし出生証明書の
    名前の変更をして再発行。
    ※多額のお金がかかり期間がどのくらい
    かかるか不明。
    小さい頃から日本にいて日本語以外話せないため①を選択し手続きをしてるのですが必要な書類を1度に大使館は伝えてくれないため出生証明書の期限切れ、再請求。また違う必要書類を言われ出生証明書の期限切れ再請求を繰り返してます。
    結婚を考えてるため早く終わらせたいのですが、どうしたら良いですか?

  • #4

    鈴木哲雄 (火曜日, 11 10月 2022 13:34)

    家庭裁判所よりフィリピン法の養子縁組の部分のオリジナルと訳文を求められました。料金と日数をおしえてください。

  • #5

    やまだたろう。 (木曜日, 24 11月 2022 23:52)

    日本では養子縁組が受理されています。
    フィリピンでは受理されてないみたいで
    届け方等がわからずでパスポートが取れません。フィリピンに養子縁組の受理をしてもらうのはどうしたらいいですか?