在留特別許可が2か月で出ました!!!

 

「横浜のアオヤギ行政書士事務所」が4月7に在留特別許可希望の出頭申告したケースで、6月末に在留特別許可(日本人の配偶者等)1年が目出度くでたケースを簡単に解説します。

 外国人の彼女は、オーバースティ1年で、当事務所に日本人男性と来所しました。 

 2人は、結婚してから、入管に在留許可申請を希望しておりました。

 従って、まず、住民票もなく、婚姻要件具備証明書が取れない彼女と日本人男性の婚姻届を横浜のある区役所に提出しました。  当然ながら、添付書類は、婚姻要件具備証明書不添付陳述書をはじめ、出生証明書(訳文付)、婚姻履歴証明書(訳文付)、申立書などです。 住民票がないため、結構時間がかかりましたが、なんとか婚姻届が受理されましたので、受理証明書の発行を依頼しました。  その後、直に、東京入国管理局横浜支局に下記の書類を持参のうえ、依頼人夫婦と小職が出頭申告のため訪問しました。

 本来、結果がでるまで6ヶ月以上掛ると理解していましたが、幸いにも2ヶ月以内に許可を得ることができました。 新規発行の在留カードを確認すると、日本人配偶者等1年となっており、添付されている写真は、出頭申告したときに横浜入管1階で指紋と写真を撮られたときのものでした。

 入管の調査は、当然ながら、非常に厳しいものでありました。 突然の自宅訪問をはじめ中身の濃い取り調べが入管において行われました。

 

出頭申告時の持参必要書類

1.申告書(入管様式 別記1号の2様式)

2.陳述書(左上の写真、入管書式8ページ)

3.配偶者の履歴書(入管様式)

4.本人のパスポート・在留カード

5.本人の出生証明書

6.婚姻証明(戸籍謄本、婚姻受理証明書、

  婚姻届記録事項証明書)

7.生活状況説明資料(在職証明書、課税 

  証明書、納税証明書など)

8.住宅賃貸契約書

9.資産状況証明資料(預金通帳写等)

10.住居最寄駅からの地図

11.夫婦のスナップ写真2=3枚(裏面に撮影場所、日時記載)

12.嘆願書(配偶者や親族など)

 


 出頭申告とは、入管法24条(退去強制事由・下記条文参照に該当する外国人が、自ら地方入国管理局に出頭して申告することをいいます。  退去強制手続きの中では、在留特別許可の希望者と早期帰国希望者に2別されます。

 

在留特別許可希望の出頭申告

 退去強制手続の中において、日本で生活をしたい理由を具体的に申し立て、在留を希望することができます。

在留特別許可入管法第50条

 法務大臣は、異議の申出に理由がないと認める場合でも、次のような場合には、在留を特別に許可できるとされています。この法務大臣の裁決の特例は在留特別許可です。

  永住許可を受けているとき(入管法第50条第1項第1号)

  かって日本国民として本邦に本籍を有したことがあるとき(同第2号)

  ☆人身取引等により他人の支配下に置かれて本邦に在留するものであるとき(同第3号)

  その他法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めるとき(同第4号)

 この在留特別許可は、本来であれば我国から退去強制されるべき外国人に対して、法務大臣が在留を特別に許可することが出来るとされているものであり、法務大臣の自由裁量に委ねられています。

 

帰国希望の出頭申告

 収容されることなく、簡易な方法で手続きができる「出国命令制度」を利用して帰国することが出来ます。 退去強制手続きにより帰国した場合、最低5年間は日本に入国することができませんが、「出国命令制度」で帰国した場合、その期間は1年間となります。

出国命令制度を利用できるのは、次のいずれかに該当する方です。

 ①速やかに日本から出国する意思を持って自ら入国管理官署に出頭したこと

 ②在留期間を経過したこと以外の退去強制事由に該当しないこと

 ③入国後に窃盗等の所定の罪により懲役又は禁固に処せられていないこと

 ④過去に退去強制されたこと又は出国命令を受けて出国したことがないこと

 ⑤速やかに日本から出国することが確実に見込まれること

 

 摘発等により違反が発覚した場合は、原則、収容されることとなりますが、出頭申告した場合には、仮放免の許可により、収容することなく手続を進めることが可能です。 退去強制手続の中で、申出の内容を審査した結果、法務大臣から特別に日本での在留を認められた場合には、不法滞在の状態が解消され、正規在留者として在留資格を得て、引続き日本で生活することができます。

 

在留特別許可の許否判断積極要素

 在留特別許可の許否判断を行うに当たっての積極要素として、日本人と婚姻が成立している場合などのほか、(1)自ら入国管理官署に出頭申告したこと、(2)日本の初等・中等教育機関に在学し相当期間日本で生活している実子を監護及び養育していること、(3)日本での滞在期間が長期に及び定着性が認められること等を挙げています。

  例えば、(3)に該当し、かつ、他の法令違反等がない方が、出頭申告した場合には、在留特別許可方向で検討されやすくなります。

 

入管法24条(退去強制事由) 

次の各号のいずれかに該当する外国人については、次章に規定する手続により、本邦からの退去を強制することができる。

一 第3条の規定に違反して本邦に入つた者
二 入国審査官から上陸の許可等を受けないで本邦に上陸した者
二の二 第22条の4第1項(第1号又は第2号に係るものに限る。)の規定により在留資格を取り消された者
二の三 第22条の4第7項(第61条の2の8第2項において準用する場合を含む。)の規定により期間の指定を受けた者で、当該期間を経過して本邦に残留するもの
三 他の外国人に不正に前章第1節若しくは第2節の規定による証明書の交付、上陸許可の証印(第9条第4項の規定による記録を含む。)若しくは許可、同章第4節の規定による上陸の許可又は第1節、第2節若しくは次章第3節の規定による許可を受けさせる目的で、文書若しくは図画を偽造し、若しくは変造し、虚偽の文書若しくは図画を作成し、若しくは偽造若しくは変造された文書若しくは図画若しくは虚偽の文書若しくは図画を行使し、所持し、若しくは提供し、又はこれらの行為を唆し、若しくはこれを助けた者
三の二 公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金等の提供等の処罰に関する法律(平成14年法律第67号)第1条に規定する公衆等脅迫目的の犯罪行為(以下この号において「公衆等脅迫目的の犯罪行為」という。)、公衆等脅迫目的の犯罪行為の予備行為又は公衆等脅迫目的の犯罪行為の実行を容易にする行為を行うおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者として法務大臣が認定する者
三の三 国際約束により本邦への入国を防止すべきものとされている者
三の四 次のイからハまでに掲げるいずれかの行為を行い、唆し、又はこれを助けた者
イ 事業活動に関し、外国人に不法就労活動(第19条第1項の規定に違反する活動又は第70条第1項第1号から第3号の2まで、第5号、第7号から第7号の3まで若しくは第8号の2から第8号の4までに掲げる者が行う活動であつて報酬その他の収入を伴うものをいう。以下同じ。)をさせること。
ロ 外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置くこと。
ハ 業として、外国人に不法就労活動をさせる行為又はロに規定する行為に関しあつせんすること。
三の五 次のイからニまでに掲げるいずれかの行為を行い、唆し、又はこれを助けた者
イ 行使の目的で、在留カード若しくは日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法第7条第1項に規定する特別永住者証明書(以下単に「特別永住者証明書」という。)を偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の在留カード若しくは特別永住者証明書を提供し、収受し、若しくは所持すること。
ロ 行使の目的で、他人名義の在留カード若しくは特別永住者証明書を提供し、収受し、若しくは所持し、又は自己名義の在留カードを提供すること。
ハ 偽造若しくは変造の在留カード若しくは特別永住者証明書又は他人名義の在留カード若しくは特別永住者証明書を行使すること。
ニ 在留カード若しくは特別永住者証明書の偽造又は変造の用に供する目的で、器械又は原料を準備すること。
四 本邦に在留する外国人(仮上陸の許可、寄港地上陸の許可、船舶観光上陸の許可、通過上陸の許可、乗員上陸の許可又は遭難による上陸の許可を受けた者を除く。)で次のイからヨまでに掲げる者のいずれかに該当するもの
イ 第19条第1項の規定に違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける流動を専ら行っていると明らかに認められる者(人身取引等により他人の支配下に置かれている者を除く。)
ロ 在留期間の更新又は変更を受けないで在留期間(第20条第5項の規定により本邦に在留することができる期間を含む。第26条第1項及び第26条の2第2項(第26条の3第2項において準用する場合を含む。)において同じ。)を経過して本邦に残留する者
ハ 人身取引等を行い、唆し、又はこれを助けた者
ニ 旅券法(昭和26年法律第267号)第23条第1項(第6号を除く。)から第3項までの罪により刑に処せられた者
ホ 第74条から第74条の6の3まで又は第74条の8の罪により刑に処せられた者
ヘ 第73条の罪により禁錮以上の刑に処せられた者
ト 少年法(昭和23年法得第168号)に規定する少年で昭和26年11月1日以後に長期3年を超える懲役又は禁錮に処せられたもの
チ 昭和26年11月1日以後に麻薬及び向精神薬取締法、大麻取締法、あへん法、覚せい剤取締法、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(平成3年法律第94号)又は刑法第2編第14章の規定に違反して有罪の判決を受けた者
リ ニからチまでに掲げる者のほか、昭和26年11月1日以後に無期又は1年を超える懲役若しくは禁錮に処せられた者。ただし、執行猶予の言渡しを受けた者を除く。
ヌ 売春又はその周旋、勧誘、その場所の提供その他売春に直接に関係がある業務に従事する者(人身取引等により他人の支配下に置かれている者を除く。)
ル 他の外国人が不法に本邦に入り、又は上陸することをあおり、唆し、又は助けた者
オ 日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入している者
ワ 次に掲げる政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入し、又はこれと密接な関係を有する者
(1)公務員であるという理由により、公務員に暴行を加え、又は公務員を殺傷することを勧奨する政党その他の団体
(2)公共の施設を不法に損傷し、又は破壊することを勧奨する政党その他の団体
(3)工場事業場における安全保持の施設の正常な維持又は運行を停廃し、又は妨げるような争議行為を勧奨する政党その他の団体
カ オ又はワに規定する政党その他の団体の目的を達するため、印刷物、映画その他の文書図画を作成し、頒布し、又は展示した者
ヨ イからカまでに掲げる者のほか、法務大臣が日本国の利益又は公安を害する行為を行つたと認定する者
四の二 別表第1の上欄の在留資格をもつて在留する者で、刑法第2編第12章、第16章から第19章まで、第23章、第26章、第27章、第31章、第33章、第36章、第37章若しくは第39章の罪、暴力行為等処罰に関する法律第1条、第1条ノ2若しくは第1条ノ3(刑法第222条又は第261条に係る部分を除く。)の罪、盗犯等の防止及び処分に関する法律の罪、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律第15条若しくは第16条の罪又は自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条若しくは第6条第1項の罪により懲役又は禁錮に処せられたもの
四の三 短期滞在の在留資格をもつて在留する者で、本邦において行われる国際競技会等の経過若しくは結果に関連して、又はその円滑な実施を妨げる目的をもつて、当該国際競技会等の開催場所又はその所在する市町村の区域内若しくはその近傍の不特定若しくは多数の者の用に供される場所において、不法に、人を殺傷し、人に暴行を加え、人を脅迫し、又は建造物その他の物を損壊したもの
四の四 中長期在留者で、第71条の2又は第75条の2の罪により懲役に処せられたもの
五 仮上陸の許可を受けた者で、第13条第3項の規定に基づき付された条件に違反して、逃亡し、又は正当な理由がなくて呼出しに応じないもの
五の二 第10条第7項若しくは第11項又は第11条第6項の規定により退去を命ぜられた者で、遅滞なく本邦から退去しないもの
六 寄港地上陸の許可、船舶観光上陸の許可、通過上陸の許可、乗員上陸の許可、緊急上陸の許可、遭難による上陸の許可又は一時庇護のための上陸の許可を受けた者で、旅券又は当該許可書に記載された期間を経過して本邦に残留するもの
六の二 船舶観光上陸の許可を受けた者で、当該許可に係る指定旅客船が寄港する本邦の出入国港において下船した後当該出入国港から当該指定旅客船が出港するまでの間に帰船することなく逃亡したもの
六の三 第14条の2第9項の規定により期間の指定を受けた者で、当該期間内に出国しないもの
六の四 第16条第9項の規定により期間の指定を受けた者で、当該期間内に帰船し又は出国しないもの
七 第22条の2第1項に規定する者で、同条第3項において準用する第20条第3項本文の規定又は第22条の2第4項において準用する第22条第2項の規定による許可を受けないで、第22条の2第1項に規定する期間を経過して本邦に残留するもの
八 第55条の3第1項の規定により出国命令を受けた者で、当該出国命令に係る出国期限を経過して本邦に残留するもの
九 第55条の6の規定により出国命令を取り消された者
十 第61条の2の2第1項若しくは第2項又は第61条の2の3の許可を受けて在留する者で、第61条の2の7第1項(第1号又は第3号に係るものに限る。)の規定により難民の認定を取り消されたもの