最高裁判決・女性の再婚禁止期間

 

 「横浜 アオヤギ行政書士事務所」が近々に最高裁判決がでると予測される「女性の再婚禁止期間6ヶ月」が女性に対する差別ではないか?につき解説いたします。 ご質問やご意見は下記のフォームに記載のうえ、メールにて送信下さい。

 

 女性だけが、離婚のあと6ヶ月間、再婚を禁止している民法第733条の規定が法の下の平等を定めた憲法第14条に違反するかどうかが争われた裁判について、最高裁判所は、2015年2月18日、15人の裁判官全員による大法廷で審理することを決めました。
 最高裁は、この規定を巡り、初めて憲法判断を示すものとみられています。 この裁判は、岡山県の女性が、「女性は離婚後、6か月を経過しなければ再婚できない」とする民法第733条の規定について、法の下の平等を保障した憲法第14条に違反するうえ、今の夫との再婚が、離婚後すぐに認められず、精神的苦痛を受けたとして、国に損害賠償を求めているものです。
 1審(地裁)と2審(高裁)はいずれも、「民法の規定は、父親と子どもの関係を巡る争いを未然に防ぐためにあり、合理性がある」と判断して、訴えを退けたため、女性が上告していました。 近年、DNA検査などで親子関係の確認も簡単に出来るようになったりしており、小職は、300日の期間は必要ないと考えます。 しかし、最高裁の判決は、1審、2審を支持し、上告棄却の判断がされるとおもいます。 万が一、違憲判決がでるようであれば、裁判官も時代の流れにキャチアップ出来てきていると思いますが。
 

民法第733条(再婚禁止期間)

  1. 女は、前婚の解消または取消しの日から6ヶ月を経過した後でなければ、再婚をすることができない。
  2. 女が前婚の解消または取消の前から懐胎していた場合には、その出産の日から、前項の規定を適用しない。

 

日本国憲法第14条

1.すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地によ

  り、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

2.  華族その他の貴族の制度は、これを認めない。

3.  栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれ

      を有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

 

 

再婚禁止期間6ヶ月の弊害

 この規定を巡っては、夫からDVを受けるなどして、長期間、別居しているようなケースでも、離婚後、別の男性とすぐには結婚できないといった問題があります。 外国人女性が日本人男性と再婚する際も、6ヶ月の適用があるので、在留期限が切れてしまう心配もあります。

 

再婚禁止期間6ヶ月の根拠

 もし再婚禁止期間が無かった場合、母親の再婚で父親が混同してしまうことは法律上家族関係が明確にならず、子供にとっても父親がはっきりしていないことで生じる不利益は大きい。 日本では家族や親子関係について定める他の法律との関係上、産まれた子供の父親の推定が混同することは避けなければいけません。
 再婚禁止期間の法律が著しい問題点であり違憲であると主張することは、この法律が子供に対して与える利益と比較すると難しい問題になっています。