「横浜のアオヤギ行政書士事務所」が老人の孤独死と死後事務につき解説いたします。 ご質問やお問合せは、下記のフォームに記載の上、メールにて送信下さい。
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孤独死とは、誰にも看取られることなく息を引き取り、その後、相当期間放置されるようなケースを言います。 老人人口が日本で一番多い東京では、東京23区内における一人暮らしで65歳以上の人の自宅での死亡者数は、近年、連続して2,000人を超えています。 また、全国的にも、年々増加の傾向があります。
孤独死は、法的に明確な定義はありませんが、警察庁の死因統計上は、変死に分類されます。
老人の孤独死の原因は、高齢単独世帯の増加、家族・地域のつながりの薄さ、貧困、格差などがおもなところです。 高齢者の単独世帯数は、年々増加の傾向にあります。 単独(単身)世帯のうち男性では六十代が多く、女性は七十五歳以上が過半数を占めています。 今後の人口推計でも高齢者単身世帯の増加が予想されています。 老親と子や孫とのつきあい方も変わってきました、この変化も、孤独死の一因と思われます。 近所づきあいなど地域とのつながりが薄い大都市ほど、また地域との繋がりがないという人ほど孤独死を身近に感じる割合も多くなっています。
行政書士の業務に任意後見契約があります、任意後見契約のなかで、見守り契約や
死後事務委任契約を締結することで、孤独死を防ぐことが可能になります。
死後事務委任契約の詳細は下記⇓を参照してください。
地域での孤独死対策
①地域での孤立を防止するためには、近隣住民や町内会、自治会などによる「地域に
おける支え合い活動」の活性化など「地域コミュニティづくり」による取組みが必
要です。その結果、孤独死の恐れのある世帯を把握して注意深く見守ることです。
②行政や地域との関わりを拒むなど、行政や自治会等が事前に情報を把握できない
ケースも多くあり、個人宅の訪問を業とする事業者(新聞配達など)の協力が必要
です。
③地域コミュニティづくりを促進する一方で、事業者との連携を含めた見守り体制を
構築し、※地域見守り活動を実施することで、孤立死等の恐れがある世帯をいち早
く発見し、行政の支援につなげることが必要です。
※地域見守り活動: 民間事業者が、業務で個人宅を訪問した際に、異変を感じ生
命の危険が予見された場合は、個人情報保護に配慮した上で、市町村や警察署・
消防署に通報するものです。
死後事務委任契約
見守り契約、任意後見契約は、本人が生存している間の契約です。 亡くなってからのことは、当然ながら、自分では何もすることができません。 一人暮らしで親族が遠方にいる方、親族の無い方などの場合は、葬儀、納骨、債務弁済、家財道具や生活用品の処分など、誰かにしてもらう必要があります。 そのために死後事務委任契約というものが存在します。 しかし、親族がいる場合には、死後事務委任契約を結んでいても、その契約が活用されない場合も考えられます。 また、親族の意向と異なり、トラブルの原因になる恐れもあります。 したがって、親族には、事前に、確認をとる必要があります。 なお、委任契約や任意後見契約は委任者の死亡によって終了するものですが、当事者である委任者と受任者が「委任者の死亡によっても委任契約を終了させない旨の合意」をすることにより、委任者は受任者に対して短期的な死後の事務を委任することができます。
厚生労働省の資料では、高齢者の約8割は、最期は病院で亡くなります。 死亡後に、入院中の費用を病院へ支払ったりする事務などが残ります。 死後の葬儀や墓地の手配、その支払まで必要になります。 また、自宅で亡くなった場合でも、税金、家賃や公共料金の支払いなどが残ります。 任意後見契約には、このような事務手続きを委任することまでは含まれませんので、本人が亡くなってからの事務は、任意後見人では出来ません。 したがって、死後事務を任せられる親族等がいない方は、任意後見契約と一緒に死後事務委任契約を結んでおく必要があると考えられます。
死後事務委任契約の具体的なものとしては、①委任者の死後の葬儀、埋葬、もしくは永代供養に関する事務、及びその債務の弁済、 ②委任者の生前に発生した債務の弁済 、③貸借建物の明け渡し、敷金もしくは入居一時金等の受領 、④親族及び関係者への連絡事務 、⑤委任者の動産・家財道具・日常生活で使用していた物品等の処分に関する事務 などです。
遺言、みまもり契約、任意後見契約等と、組み合わせて使用することによって、万全な対策となります。
死後事務委任契約の注意点
費用の負担については、明確にしておく必要があります。 任意後見人・成年後見人等は、本人が死亡した時点でその職務が終了します。 見守り契約のみの場合では、死後の事務を行うための財産的裏付けがなく、葬儀費用等の支払いを行うことができなくなります。 遺言で祭祀の主宰者に、「遺言者の葬儀費用に充てるために、金○○円を預託してあり、それを使用して下さい」と指定することも可能です。
事前に本人が希望する内容にて、その費用分をある程度明確にし、その内容分の預託金として預けたとしても、相続財産に混在してしまう危険性や、預託が長期にわたる場合には、不正が発生する危険性があることを事前にご理解して頂く必要があります。
死後事務委任契約は必ずしも公正証書でする必要はありませんが、公証役場で公正証書にて死後事務委任契約書を作成する場合は、委任者と受任者は、下記の1~3のいずれかが必要です。
1.印鑑登録証明書(3か月以内)と実印
2.自動車運転免許証と認印
3.住民基本台帳カード(顔写真付き)と認印
公証役場で、公正証書作成の流れ(事前に電話で予約が必要です。)
1)1回目:受付日 委任者(本人)と受任者が必要書類を持参します。
~約1週間後~
2) 2回目:死後事務委任契約公正証書の作成日、委任者と受任者が実印(または認印)を持参し、死
後事務委任契約公正証書を確認し、その内容で良ければ署名押印します。
公証役場の費用
11,000円+正本謄本代(3,000円程度)
※正本を受任者に、謄本を委任者に渡します。
死後事務委任契約により、委任者から受任者に報酬を支払う場合は、契約によって定めます。 行政書士や司法書士等の専門職が受任者になる場合は、報酬が必要となります。
葬儀について
多くの方は、病院又は施設で亡くなります。 まずは、ご遺体の引受けをどなたがやるかになります。 当然ながら、葬儀との関係が出てきます。 相続人がいるのか? いれば、相続人へ緊急の連絡を取ります。 そして、葬儀の日程や場所を決めなければなりません。 親戚が遠方の場合では、日程の調整、宿泊施設の手配など、大変です。 このような場合にも、死後事務委任しておけばスムーズに事が運びます。 また、最近では火葬場併設斎場が混雑している状況も一部地域で問題になっています。 亡くなってから、一週間くらい待つときもあります。 このようなことも想定したうえで葬儀に関する一切の事務を行なうには、負担になります。 もし、相続人や親戚でやることが難しいと思われる場合には、死後事務委任契約で事前に決めておくことが必要です。 なお、相続人などがいるときには、遺言でも付言事項により葬儀について記しておくと、相続人にも理解がされてスムースに葬儀の事務が進むことができます。 そして、費用の問題があります。 法律上は、「だれが負担すべきであるのか」きっちりと決められておりません。 相続人から喪主が決まってくれば、一時的にでも相続人で負担も出来るのでしょうが、相続財産の中から負担するように事務委任しておくことで問題なくスムースにことが運びます。 さらに、遺言によって遺言執行者を決めておいて、遺言執行者へ葬儀に関する権限を与えておくというのも一つの方法です。
入院、入居費用等の支払い(清算)
支払うべき金銭(借金)は、法律上は相続債務として相続人へ引き継がれます。 このことからすれば、相続人がいれば心配ないように思われますが、相続人へ、突然に「費用の負担があるのでお願いします」と言っても、対応して貰えないことも多いと考えられます。 また、保証金などがあれば、それらの返還手続きと清算が必要となります。 病院や施設は、遺体の引き受けを早くして欲しいという事情がありますので、関係者に迷惑をかけないで円滑に手続きが進められるようにしておくには、事務委任しておくことが必要となります。 ただし、事務委任の範囲や程度については、はっきりして示しておかなければ、委任を受けた人の事務に支障をきたします。 あるいは、委任を受けた人に立替支払が生じた場合などに、相続人の理解が得られないと、迷惑をかけることになってしまいます。
家財、身回り品の整理
病院や施設(又は自宅)にあった身の回り品について、整理が必要となります。これらは、全て相続財産になりますので、相続人が引受けることになります。
でも、財産的な価値があればともかく、そうでないものは困ります。 あらかじめ処分することが分かっているものは、事務委任しておくことになります。 不用品を処分するのに、最近は処分屋・整理屋などが処分してくれますが、案外と費用がかかってしまうことも留意しておかなければなりません。 もし、思い出の品で特定の人に引渡したいという場合、価値あるものを特定の人に残したいという場合には、遺言を残すことです。
日本の高齢化の将来推計 (単位:万人、%) 国立社会保障・人口問題研究所
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