特定商取引法対象7類型

 「横浜のアオヤギ行政書士事務所」特定商取引法対象7類型につき解説いたします。 ご質問やご相談は、下記のフォームに記載のうえ、メールにて送信下さい。 なお、返信希望のご質問には、貴メールアドレスの記載をお忘れなく。

 

対象となる7取引類型

 

1.訪問販売(法2条1項1号)

  事業者が営業所(店舗)等以外の場所で、消費者から商品もしくは指 

  定権利の販売、役務の提供に関する契約の申込みを受けて行う販売

  取引方法です。

  例)自宅や職場への訪問販売、キャッチセールス、アポイントセールス、催眠商

  

 

2.通信販売(法2条2項)

  事業者が郵便等の通信方法により、商品(指定権利含む)等の販売、

  役務を提供する形態をいいますが、電話勧誘販売に該当しないもの

  をいいます。

 

3.電話勧誘販売(法2条3項)

  事業者が消費者に電話をかけて、または、特有の方法で消費者に電

  話を掛けさせて商品等(指定権利含む)の購入や役務提供の契約の締

  結を勧誘し、消費者から契約の申込みを郵便などで受けたり、契約の締結をする

  取引形態を言います。

  しかし、法26条6項の規定されていますが、消費者が自ら事業者に電話をかける

  ように請求した場合は、規制の対象外となります。

 

4.連鎖販売(マルチ商法)

  販売組織の加盟社が消費者を組織に加入させ、さらにその消費者が別の消費者を

  組織に加入させることを次々と行うことにより、組織をビラミッド式に拡大して

  いく商法をいいます。

  適用要件:①商品の販売、役務の提供を行う事業であること。②特定利益が得ら

  れると誘引すること ③特定負担を伴うこと

 

5.特定継続的役務提供(法41条)

  継続的に提供されることを前提に。役務の提供を受ける者の身体の

  美化、知識、技能の向上、その他心身や身上にお関する目的を実現

  させるためのもので、その目的が実現できるかどうか確実でないも

  のであって、一定期間、一定金額以上で、提供されるものを言います。

  指定6業種(施行令11条、12条)

  ①エステサロン (契約期間が1月を超え、契約金額が5万円を超えるもの)

  ②語学教室 (契約期間が2月を超え、契約コイン学が5万円を超える者)

  ③学習塾 (同上)

  ④パソコン教室(同上)

  ⑤結婚相手紹介サービス(同上)

 

6.業務提供誘因販売取引(内職・モニター商法)(法51条)

  販売した商品等を利用した仕事を提供するので、収入を得ることができると誘

  い、商品の購入や役務の提供などの契約をさせる取引をいいます。

  適用要件:①商品の販売、役務の提供を行う事業であること。 ②業務を提供す

  るので収入が得られると誘引すること ③特定負担を伴うこと

 

7.訪問購入(法58条4)

  平成24年の法改正により、追加された取引類型です。 物品の購入を業として営 

  なむものが営業所(店舗)等以外の場所で、消費者から売買契約の申込みを受け、

  売買契約を締結して行う物品の購入をいいます。 

  適用除外:①売主の利益を損なう恐れがないと認められるもの(大中家電、家具)

  ②流通が著しく害されるおそれがあると認められる物品(車、書籍、有価証券、

  CD、DVD、ゲームソフト) 

  全面適用除外(法58条17):①事業者間の取引、②海外にいる人に対する契約

  ③国、または地方公共団体が行う訪問購入、④特別法に基づく組合、公務員職員

  団体、労働組合が組合員にたいして行う訪問購入、⑤事業者がその従業員に対し

  て行う訪問購入

 

行政規制

  特定商取引法では、事業者に対して、消費者への適正な情報提供等の観点から、各取引類型の特性に応じて、以下のような規制を行っています。 特定商取引法の違反行為は、業務改善の指示や業務停止命令の行政処分、または罰則の対象となります。

氏名の明治の義務づけ

 特定商取引法は、勧誘開始前に事業者名や、勧誘目的であることなどを消費者に告 

 げるよう業者に義務づけています。

不当な勧誘行為の禁止

 特定商取引法は、不実告知(虚偽の説明)や、重要事項(価格・支払い条件等)を故意

 に告知しなかったり、消費者を威迫して困惑させたりする勧誘行為を禁止していま

 す。

広告規制 

 特定商取引法は、業者が広告をする際には、重要事項を表示することを義務づけ、  

 また、虚偽・誇大な広告を禁止しています。 

書面交付義務特定商取引法は、契約締結時等に、重要事項を記載した書面を交付す

 ることを事業者に義務づけています。

 

民事ルール

  特定商取引法は、消費者と事業者との間のトラブルを防止し、その救済を容易にするなどの機能を強化するため、消費者による契約の解除(クーリング・オフ)、取り消しなどを認め、また、事業者による法外な損害賠償請求を制限するなどのルールを定めています。

 

ーリング・オフ

 特定商取引法は、「クーリング・オフ」を認めています。クーリング・オフとは、申込みまたは契約後に法律で決められた書面を受け取ってから一定の期間()、消費者が冷静に再考して、無条件で解約することです。()訪問販売・電話勧誘販売・特定継続的役務提供・訪問購入においては8日間、連鎖販売取引・業務提供誘引販売取引においては20日間。 通信販売には、クーリング・オフに関する規定はありません。

 

意思表示の取消し

 特定商取引法は、事業者が不実告知や重要事項の故意の不告知等の違法行為を行った結果、消費者が誤認し、契約の申込み、またはその承諾の意思表示をしたときには、消費者は、その意思表示を取り消すことを認めています。

 

損害賠償等の額の制限

 特定商取引法は、消費者が中途解約する際等、事業者が請求できる損害賠償額に上限を設定しています。