消費者保護と関連法令

 「横浜のアオヤギ行政書士事務所」消費者保護と消費者保護関連法につき解説いたします。 ご質問やご相談は、下記のフォームに記載のうえ、メールにて送信下さい。 なお、返信希望のご質問には、貴メールアドレスの記載をお忘れなく。

 

 消費者の保護のため、一般法の民法から、民法の特例を定める法律まで、時代に応じて、制定されています。 それらの法律につき、下記参照下さい。

 

情報社会における消費者保護

1.インターネット取引

  情報化社会の進展に伴い、消費者や事業者との間で行う電子消費者契約における錯

  誤無効や電子契約の成立時期に関し、「電子消費者契約及び電子承諾通知に関する

  民法の特例を定める法律」が2001年に成立、施工されました。

  ①錯誤無効制度の特例

   電子消費者契約の要素の錯誤があった場合で、当該錯誤が以下のいずれかに該

   当するときは、民法95条但書を適用しない(法3条)

   ァ)電子消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示を行う意思がなかったと

     き

   ィ)当該電子消費者契約の申込み又はその承諾の意思と異なる内容の意思表示を

    行う意思があったとき。 但し、事業者が意思表示の確認を求める措置を講  

    じている場合には、この限りではない(法3条但書)。

  ②電子契約の成立時期の到達主義

   民法では、契約の成立時期につき発信主義を採用するが、インターネット等の

   電子的な方法を用いて承諾の通知を発する場合、その契約成立時期を承諾の通

   知を発する場合、その契約成立時期を承諾の通知が到着した時点へと変更した

   (法4条)。

 

2.インターネット広告・表示等

  通信販売の広告表示が不十分、不正確であることから生じるトラブル防止するた

  め、特定商取引法では、通信販売における一定事項について明確に表示を行うよ

  う広告規制している。⇒ 特定電子メール法

 

3.個人情報保護

  ①個人情報保護に関する法律

   だれもが安心してIT社会の便益を享受するための制度的基盤として、平成15

         年5月に成立し、公布され、17年4月に全面施行されました。   この法律は、

         個人情報の有用性に配慮しながら、個人の権利利益を保護することを目的とし

         て、民間事業者の皆様が、個人情報を取り扱う上でのルールを定めています。

  ②個人情報取扱業者の義務

 

 消費者保護関連法制

1.消費者保護法

   消費者契約法は、消費者と事業者の情報力・交渉力の格差を前提とし、消費者の

       利益擁護を図ることを目的として、平成12年4月制定、平成13年4月に施行さ

       れました。   また、平成18年の法改正により消費者団体訴訟制度が導入され、

       平成19年6月より運用されており、平成20年の法改正では、消費者団体訴訟制

       度の対象が景品表示法と特定商取引法に拡大されました。(消費者団体訴訟制度

       については⇒消費者庁消費者訴訟制

 

2.消費者安全法

    消費者安全法は、「消費者の消費生活における被害を防止し、その安全を確保す

      るため、内閣総理大臣による基本方針の策定、都道府県及び市町村による消費生

      活相談等の事務の実施及び消費生活センターの設置、消費者事故等に関する情報

      の集約等、消費者被害の発生又は拡大の防止のための措置等所要の措置を講ずる

      ことにより、関係法律による措置と相まって、消費者が安心して安全で豊かな消

      費生活を営むことができる社会の実現に寄与すること」を目的として、平成21年

      9月1日に施行されました。

  

3.特定商取引法

  特定商取引法(旧称「訪問販売法(訪問販売等に関する法律)」)は、訪問販売や通信

      販売等、以下に挙げる消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が

      守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルールを定めています。

      これにより、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守

      るための法律です。

 

4.景品表示法

  景品表示法は、正式には、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134

  号)といいます。 消費者なら、誰もがより良い商品やサービスを求めます。  

  ところが、実際より良く見せかける表示が行われたり、過大な景品付き販売が行

  われると、それらにつられて消費者が実際には質の良くない商品やサービスを

  買ってしまい不利益を被るおそれがあります。 景品表示法は、商品やサービス

  の品質、内容、価格等を偽って表示を行うことを厳しく規制するとともに、過大

  な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額を制限することにより、消費者のみ

  なさんがより良い商品やサービスを自主的かつ合理的に選べる環境を守ります。

 

5.PL法

  製造者責任を定めた法律のひとつです。 製造物責任法の略です。 製品のの使

  用中、消費者が生命、身体、または財産に損害を受けたとき、それが製品の欠陥

  によるものであったことを証明できれば、製造者の賠償を受けられるという法

  律です。 通用、損害賠償請求において前提となります、損害を与えた者の「故 

  意、または過失」は、PL法においては必要とされません。 欠陥の証明が、すな

  わち賠償責任となります。 消費者の保護のために定められた法律で、1970年

  代から続いてきた消費者運動の産物であるとも言えます。 人工的に加工された

  商品が対象で、農作物、土地などは含まれません。 

 

6.割賦販売法

  悪質な勧誘などを行っている販売店を加盟店にして、クレジットを提供し、悪質

  商法を助長する。 消費者の支払能力を超えるクレジットを提供して、多重債務

  に陥るきっかけをつくる。
    
このようなことを防ぐため、クレジットに関する法律(割賦販売法)が、特定

  商取引法とともに、改正されました。

  

7.利息制限法出資法貸金業法

  多重債務の社会問題化を受けて、賃金業への規制を強化し、「借りすぎ」に歯止

  めをかける狙いで作られた法律です。 2006年12月に成立、07年12月から段階

  的に施行されました。 目玉は「グレイゾーン金利」の廃止。 旧貸金業規制法

  では、貸金業者がお金を貸す際の上限金利は2つありました。 違反すれば刑事

  罰を伴う出資法(年29.2%)と利息制限法(年15〜20%)で、その間が灰色金利と

  呼ばれました。 灰色金利で貸し付けても、借り手が任意で利息を支払っている

  といった条件を満たせば有効とされる「みなし弁済規定」がありましたが、これ

  を撤廃しました。 10年6月までに出資法の上限金利を年20%まで引き下げまし

  た。 利息制限法の上限金利は据え置くが、出資法での上限との間の貸し出しは 

  行政処分の対象となります。 他に、過剰貸し付け防止策として「総量規制」を

  導入。 貸金業者からの総借入残高が原則年収の3分の1以内としました。 業者

  には指定信用情報機関への登録と、貸し付け時に借り手の借入残高の確認を義務

  付けました。 金融庁によると、消費者金融の利用者は約1400万人、残高は約

  14.2兆円に上ります。 このうち、5件以上の借り入れがあるのは約230万人

  で、平均債務残高は約230万円に上りました。 消費者金融会社は灰色金利での

  貸し付けで高収益を上げてきましたが、06年1月に最高裁判所が灰色金利を実質

  的に無効とする判決を出したことから、貸金業者の規制強化の機運が高まりまし

  た。 同時に、債務者からの過払い金の返還請求が殺到しました。 経営環境

  一気に厳しくなり、業界3位のプロミスと7位の三洋信販が経営統合を決定する一

  方、中堅のクレディアが経営に行き詰まるなど業界の再編・淘汰の動きが加速

  ました。

   

 8.民法
  人が集まって社会を形成すると、他人に対して権利を持ったり義務を負ったりし

  ますが、その権利や義務の内容について一定のルールがないと秩序が維持できな

  くなります。 このような一定のルールを定めたのが民法です。 民法は私人、

  つまり公権力を持たない人同士の関係を規定した私法の中で最も基本となる法律

  です。 この意味で民法は私法の一般法です。 また、日本国憲法や刑法ととも

  に、日本の主要な法律である六法の一つです。 民法は1044条まであり、日本

  の法律の中では最も条文数が多いです。