出生届

 「横浜のアオヤギ行政書士事務所」が出生届につき、解説いたします。 ご質問やご意見は、下記のフォームに記載のうえ、メールにて送信下さい。 なお、返信希望のご質問には、貴メールアドレスの記載をお忘れなく。 

 

 出生届は、正式には出生届書といいます。  法務局の戸籍課が管轄する行政機関への書類です。 出生証明書を添付して、子の出生の日を第1日目として日本国内では14日以内に役所へ、国外では3ヶ月以内に在外公館へ提出しなければなりません。

 

日本国内での手続き

出生届用紙の記入 

 出生届け用紙は役所の窓口やに備え付けてあります。 下記の項目に記入します。

①子供についての情報

 子の姓と名前、嫡出子か非嫡出子か、続柄、性別、生年月日時間、誕生した場所(病院など)、住所及び世帯主。

②両親についての情報

 父母の氏名と生年月日、父又は母の本籍地及び戸籍筆頭者(両親とも外国人の場合 

 は国籍)、同居を始めた年月、誕生時の世帯の就業カテゴリ

③その他(空欄)

 父母が新戸籍を作成中の場合は希望本籍地を記入するときなどに使う。

④届出人

 原則として父又は母が届出人となります。 実際に書類を役所に持参するのは届出

 人本人でなくても良い。

 

 提出忘れ、記入漏れ、子の名前に使用できない漢字を用いるなどの不手際で、出生届が提出期限の14日を過ぎてしまうことがあります。 その場合は、提出期限を過ぎた旨を簡易裁判所に通知する必要があり、役所を通して戸籍届出期間経過通知書を提出します。 過料(5000円以下の罰金)が徴収されることもあります。 子供の名前が決まらない場合は、提出期限内に出生届の名前を空欄にして提出しておき、経過通知書と過料を避けることができます。 名前が決まった後に追完届で戸籍を修正することになります。

 

出生届出場所

 本籍地、居住地又は出生地の役所で受理されます。 出生届は、婚姻届や離婚届けと同じように、24時間365日受付が可能です。 ただし夜間及び休日等は担当職員が不在である場合が多いため、通用口にいる警備員に預ける形となります。

 

未婚の親の場合

 出生した子は、原則として母親の戸籍に入ることになります。 この際、母親が戸籍の筆頭者でない場合には、母親を筆頭者とする戸籍が新たに作られます(父親となる場合でも同様)。手続きとしては、分籍とほぼ同様の扱いとなります。

 

両親が外国人の場合

 両親が外国人である場合、血族主義の日本では、出生した子に日本国籍は与えられず、親の国籍になります。 戸籍も作られませんが、出生届は提出しなければなりません。 また、出生後60日間を超えて日本に滞在しようとする場合は、出生から30日以内に在留資格取得許可申請を地方入国管理局長に対して行います。

  次に、子どもの(本国)国籍取得のために、在日大使館で申請を、下記のように行

う必要があります(本国により異なりますので、それぞれの本国公館に問合せて下さい)。 

(1)出生証明書をもって、市区町村の役所に出生届を提出します。
(2)出生届が受理されたら、出生届受理証明書を受領します。
(3)外務省へ行き、領事移住政策課証明班に、出生届受理証明書・出生証明書・パ 

  スポートを提出し、出生届受理証明書を認証してもらう手続きを行います。
(4)在日大使館へ行き、外務省で認証された出生届受理証明書・出生証明書・パス

  ポートを提出し、国籍申請を行います。

 

国外での手続き

 両親又は父母どちらかが日本国籍を保持する者であれば、戸籍に子供を記載するため、出生届を大使館または、領事館に提出します。 子供の出生国により、両親又は父母どちらかの本籍地に直接郵送して提出することができる場合もあります。

 

出生届出用紙の記入

 書式は在外公館にしか置いていませんが、出産前に郵送で取り寄せることも可能です。 日本の書式と異なる点は、本籍地の枠内にある父母の国籍を記入する欄と、その他の枠内にある「日本国籍を留保する」という欄です。

 

日本国籍留保

 生地主義のアメリカ、カナダは国内で出生した子供に自動的に国籍が与えられます。 ドイツ、フランス、フィリピン、中国などは父母どちらかが国籍を持っていれば子供にも与えられます。  出生届の日本国籍留保欄に署名・捺印すれば、子供は22歳まで日本国籍と他国の国籍を多重して持つことができます。 22歳に達すると日本国籍を維持するか外国籍を志望して日本国籍を喪失するかという国籍選択の必要があります。 出生届の国籍留保欄を空欄のまま提出すると、国籍法第12条に則り、日本国籍を放棄したとみなされ外国人扱いとなります。 当然日本の旅券なども発行されません。 後に日本国籍を取得するには、未成年で日本に永住帰国した場合のみ、法務局を通して申請して国籍を再取得するという道があります。 成人以降に永住帰国した場合は帰化手続を取ることになります。 ただし生地主義ではない国で生まれ、なおかつイランやスリランカなど父親の血統しか認めていない国の母を持つ子供(例えば、フランス生まれで、父が日本人で母がイラン人の子供)は、生地(フランス)の国籍も母親(イラン)の国籍も与えられないため、国籍留保欄に記入しなくとも自動的に日本国籍が与えられます。

 

出生届の姓と名

 日本国外で生まれた子供は、出生国でミドルネームを持つことがあります。 しかし日本の戸籍では姓と名前のしか認められていないため、ミドルネームを含めたい場合は名前の一部に入れるしかありません。 

 一般的に母親が日本人の国際結婚の場合は、出生届に記入する子供の姓に注意する必要があります。 国際結婚では婚姻届のみを提出した場合、戸籍上は旧姓のままであり、氏の変更許可申立書を提出しない限り外国人の姓に変わりません。 出生届の子供の姓は、母親の居住国や出産国での姓(夫の姓など)ではなく、日本の戸籍上の姓に一致しなければならなりません。 たとえば滝川クリステルのフランス名はクリステル・マサミ・タキガワ・ラルドゥですが、日本名はラルドゥ雅美ではなく滝川雅美となります。

 上記のようなケースでは、戸籍そのままをローマ字表記にして旅券に記載すると、日本国外では別人と判断されるなど混乱の元になりえますが、しかし、パスポート申請用紙とともに非ヘボン式ローマ字指名表記等申立書を提出して受理されることにより、戸籍の名前を外国語読みにしたり、ファーストネーム部分とミドルネーム部分との間にスペースを置いたり、父親の姓を併記することが可能になります。 たとえば滝川雅美は「Masami Takigawa (Lardux)」と表記するなど、できるだけ外国名に近付けることができます。

 

出生届出方法

 日本と異なり出生届は2枚を出生地の管轄である在外公館に届け出る必要があります。 出生国によっては、日本の本籍地に郵送で提出することも可能です。 出生証明書や現地国で発行された出生登録証明書など書類準備に多少時間が掛かるため、提出期限は余裕を持って出生後3ヶ月以内となっています。