民間の老後の住まい③「グループホーム」

 「横浜のアオヤギ行政書士事務所」グループホーム(認知症対応型共同生活介護」につき解説いたします、ご意見やご質問は下記のフォームに記載の上、メールにて送信下さい。 なお、返信希望のご質問には、貴メールアドレスの記載をお忘れなく。

 

   認知症対応型共同生活介護グループホーム)は、認知症を持つ高齢者が9人以下の少人数で共同生活をしながら、入浴、排せつ、食事等の日常生活上のお世話、機能訓練をしてもらえる施設で、形態としては民家型、アパート型、ミニ施設型など、さまざまです。   利用者は、原則として、施設の所在地の市町村に住んでいる認知症要介護高齢者です。

 

認知症対応型共同生活介護を利用することの利点
 少人数の中で「なじみの関係」をつくり上げることによって、生活上のつまづきや行動障害を軽減し、心身の状態を穏やかに保つことができます。
 また過去に体験したことがある役割、たとえば食事の支度、掃除、洗濯等をスタッフの手を借りながら各自ができる部分を行い、家庭的でゆったりと安定した環境の中で、高齢者の失われかけた能力を再び引き出し、潜在的な力をのばすように働きかけていくことを目標としています。
 小規模なため馴染みの環境を作りやすく、認知症の方でも安心して暮らせるようになることが多いとされ、急速に施設の数が増えています。家庭的で落ち着いた雰囲気の中で生活を送ることにより、認知症の症状の改善や進行の防止を図ります。

 

認知症対応型共同生活介護の利用者の費用負担
 認知症の症状が重く、利用が難しいと思われる場合であっても、実際に利用してみると馴染んで生活ができる場合もありますので、自己判断せずに施設に相談してみるとよいでしょう。 利用者の負担は介護保険の費用の1割と家賃、食事代などで月10万~20万程度かかりますが、施設より異なるために問い合わせる必要があります。
 認知症対応型共同生活介護のケアは、認知症高齢者が混乱しないで普通の生活を送ることができるようにすることを何よりも優先し、心を癒し、生活に満足できるように導きます。 利用を希望する場合には直接施設に問い合わせるほか、ケアマネジャー、市役所・町村役場、地域包括支援センターに問合わせください。

 

対象者

 認知症の症状がある要介護1以上の認定を受けた方(なお、認知症の原因となる疾患が急性の状態にある場合は対象となりません。)
 ※認知症:脳血管疾患、アルツハイマー病等によって、日常生活に支障が生じる程 
      度にまで記憶機能やその他の認知機能が低下した状態
 

サービスの内容

 1.食事、入浴、排せつの介護

 2.機能訓練(リハビリテーション) ほか

 

 認知症対応型共同生活介護の指定基準の概要

1.人員基準
①介護職員
 共同生活住居毎に、常勤換算で、利用者:介護職員=3:1以上の比率で配置すること。 尚、夜間(午後6時~10時)及び深夜(午後10時~午前6時)の時間帯は、利用者の人数に関わらず「通常の(宿直勤務ではない)勤務者」を常時1人以上配置する必要があります。 
宿直勤務者のみ配置」は人員基準違反となりますのでご注意下さい。 尚、職員に宿直勤務をさせる為には、所轄の労働基準監督署の許可が別途必要です。 ※常勤換算とは、勤務延べ時間数(=サービス提供に従事する合計時間数)をその事業所の一般常勤職員の所定労働時間(週32時間を下回る場合は32時間)で除して、非常勤職員又はパート職員の人数を一般常勤職員の人数に換算した数値です。
②常勤管理者
 共同生活住居毎に、専従の常勤管理者(認知症介護の経験3年以上で、厚生労働省指定の研修受講者に限る)を配置すること。 
利用者に支障が無い場合は、常勤管理者と計画作成担当者の兼務が認められます。
③計画作成担当者
 共同生活住居毎に、計画作成担当者(厚生労働省指定の研修受講者に限る)を配置すること。 計画作成担当者のうち1人以上は、介護支援専門員(ケアマネージャー)でなければなりません。
④代表者
 介護業務従事経験者又は介護事業経営経験者で、厚生労働省指定の研修受講者であること。 
他の職務との兼務でも可ですが、常勤管理者・計画作成担当者・代表者に事前受講が義務付けられる指定研修は、各々異なりますのでご注意下さい。

2.設備基準
1事業所当たり、ユニット(共同生活住居)の数が2以下であること。
1ユニット(共同生活住居)は、定員が5人以上9人以下であり、居室・居間・食 

 堂・台所・浴室・事務室・面談室などの必要な設備を有すること。

   居間と食堂は同一の場所でも可ですが、1ユニット毎に必要です。
居室は、原則として個室(但し、夫婦で利用する場合は2人部屋でも可)とし、床

   面積が7.43㎡以上(和室の場合は4.5畳以上)あること。

   居室は、廊下や居間・食堂といった共用スペースに直接つながる出入口が各々必要

   です。

3.立地基準

   単独型の共同生活住居の場合は、次の地域のいずれかにあることが市町村によっ  

て確認されていること。
都市計画法による用途地域のうち、第一種又は第二種低層住居専用地域、第一種又

   は第二種中高層住居専用地域、第一種又は第二種住居地域、準住居地域、近隣商業

   地域、商業地域、準工業地域工業地域又は工業専用地域は不可です。
用途地域が定められていない地域の場合は、地域の住宅地の中にあるのと同程度に 

 家族や地域との交流が確保されていると認められている地域。

4.運営基準
市町村職員、地域包括支援センター職員、地域住民代表者等で構成される運営推進

 会議の確実な設置が見込まれること。
 (運営推進会議のメンバーが確定していること。)
各利用者に応じた認知症対応型共同生活介護計画が作成されていること。
利用申込者の入居に際して、主治医の診断書により利用者が認知症であることを確 

 認していること。
入退去の記録を利用者の被保険者証に記載していること。
運営規程の概要、職員の勤務体制、苦情処理体制、事故発生時の対応、衣食住等の

 費用などについて事前説明を行ない、予め利用者の同意を得た上でサービス提供し

 ていること。
介護職員の資質向上の為に研修の機会を確保していること。
入居定員及び居室の定員を超えてサービス提供を行なわないこと。


認知症対応型共同生活介護のQ&A

1 地域密着型サービス一般について
Q1:都道府県と市町村の権限についてはどのような区別ですか?
  (認知症高齢者グループホーム事業者が、都道府県と市町村に対して問合せして
  も、双方がたらいまわしであり回答が得られないという実態があります。)
A1:法の施行に伴い、事業所の指定に関する権限は、市町村に移譲されていることか
   ら、市町村が回答すべきものです。 都道府県は、事業者に対する直接の問い合わ
     せ窓口となる必要はありませんが、これまでの事務経験を踏まえ、適時適切に市町
   村に対する助言を行うことが必要です。
Q2:地域密着型サービスでは、事業所を開設している市町村外の方は基本的に利用で
  きなくなりますが、希望があった場合どのように対応すべきですか?
A2:事業所を開設している市町村外の者が利用を希望した場合については、当該事業所
     より、利用を希望する者が居住する市町村に対し、新たに指定申請を行うことにな
     ります。 申請を受けた市町村は、事業所が存する市町村と協議を行い、自治体間
     で、当該事業所の指定について同意をするか否かの判断を行うこととになります。
Q3:事業所を開設している市町村外に住所を有する入居者が、現に入居しています
   が、次の要介護認定更新時に退居するように事業者からいわれています。 退居し
   なければならないのですか?
A3:平成18 年3 月31 日に、現に利用している者については、その者が何らかの理由
   により退居するまで、介護保険法等の一部を改正する法律附則第10 条第2 項に規
     定する「みなし指定」の対象となり、要介護認定の更新時期と関係ありません。
Q4:認知症高齢者グループホームに他の市町村から転入して(住所を移して)入居す
   ることを制限することは可能ですか?
A5:改正介護保険法第78条の2第7項の規定では、市町村長は事業者の指定を行うに当
     たって、事業の適正な運営を確保するために必要と認める条件を付することができ
     るとされているますが、他市町村から転入して入居するケースが増え、実質的に事
     業所設置市町村の被保険者の適切な利用が阻害されることになれば、当該市町村に
     おける地域密着型サービスの適正な運営の確保が困難になる可能性もあります。
     したがって、設置市町村は、同項の規定に基づき、事業所を指定するに当たり、例
     えば、「他市町村からの転入による入居者を定員の一定割合に限定すること」「他
     市町村から転入して○ヶ月を経た者からの入居とすること」等の条件を付すことは
   可能です。
2 医療連携体制加算について
Q5:要支援2について算定できるのですか?
A5:要支援者については、「介護予防認知症対応型共同生活介護費」の対象となりますが、これについては、医療連携加算は設けていないことから、算定できません。
Q6:看護師の配置については、職員に看護資格を持つものがいればいいのですか?
   看護職員として専従であることが必要ですか?
A6:職員(管理者、計画作成担当者又は介護従業者)として看護師を配置している場合
     については、医療連携体制加算を算定できます。 訪問看護ステーション等、他の
     事業所との契約により看護師を確保する場合については、認知症高齢者グループホ
     ームにおいては、看護師としての職務に専従することが必要です。
Q7:看護師としての基準勤務時間数は設定されていますか? 24時間オンコールとさ  
     れていますが、必要とされる場合に勤務するといった対応でよいのですか?
A7:看護師としての基準勤務時間数は設定していませんが、医療連携体制加算の請求に
     おいて必要とされる具体的なサービスとしては、①利用者に対する日常的な健康管
   理、②通常時及び特に利用者の状態悪化時における医療機関(主治医)との連絡・
   調整、③看取りに関する指針の整備等を想定しており、これらの業務を行うため
   に、当該事業所の利用者の状況等を勘案して必要な時間数の勤務が確保できている
     ことが必要です。(事業所における勤務実態がなく、単に「オンコール体制」とし
     ているだけでは、医療連携体制加算の算定は認められません。)
Q8:協力医療機関との連携により、定期的に診察する医師、訪問する看護師で加算は
   とれますか? 連携医療機関との連携体制(連携医療機関との契約書で可能?)に
   よる体制で加算が請求可能ですか?
A8:医療連携体制加算は、環境の変化に影響を受けやすい認知症高齢者が、可能な限り
   継続して認知症高齢者グループホームで生活を継続できるように、看護師を配置す
     ることによって、日常的な健康管理を行ったり、医療ニーズが必要となった場合に
     適切な対応がとれる等の体制を整備している事業所を評価するものであるため、看
     護師を確保することなく、単に協力医療機関に医師による定期的な診療が行われて
     いるだけでは、算定できず、協力医療機関との契約のみでは、算定できません。  
   なお、協力医療機関との契約を見直し、契約内容が、看護師の配置について医療連
     携体制加算を算定するに足りる内容であれば、算定をすることはあり得ます。
Q9:同一法人の他事業所に勤務する看護師を活用する場合、双方の常勤換算はどのよ
  うに考えられますか?(他事業所に常勤配置とされている従業者を併任してもよ
  いのですか?)
A9:算定の留意事項(通知)にあるとおり、併任で差し支えありません。 常勤換算に
     ついては、双方の事業所における勤務時間数により、それぞれ算定します。
Q10:算定要件である「重度化した場合における対応に関する指針」の具体的項目はき
     められますか? また、加算の算定には、看取りに関する指針が必須ですか?
A10:算定の留意事項(通知)にあるとおり、医療連携体制加算の算定要件である「重
     度化した場合における対応に係る指針」に盛り込むべき項目としては、例えば、①
     急性期における医師や医療機関との連携体制、②入院期間中におけるグループホー
     ムの居住費や食費の取扱い、③看取りに関する考え方、本人及び家族との話し合い
     や意思確認の方法等の看取りに関する指針、などを考えており、これらの項目を参
     考にして、各事業所において定めてください。 また、この「重度化した場合にお
     ける対応に係る指針」は、入居に際して説明しておくことが重要です。 なお、指
     針については、特に様式等は示しませんが、書面として整備し、重要事項説明書に
     盛り込む、又は、その補足書類として添付することが望ましいです。
3 運営推進会議について
Q11:認知症高齢者グループホームの運営推進会議においては、活動状況としてどのよ
    うな報告を行う必要がありますか?
A11:運営推進会議において報告を行う事項としては、「認知症高齢者グループホーム
    の適正な普及について(平成13 年3 月12 日老計発第13 号老健局計画課長通
    知)」別添2 に掲げる「認知症高齢者グループホームに係る情報提供の項目」や、
    自己評価及び外部評価の結果などが考えられますが、運営推進会議の場において
    は、当該グループホームにおける運営やサービス提供の方針、日々の活動内容、入
    居者の状態などを中心に報告するとともに、会議の参加者から質問や意見を受ける
    など、できる限り双方向的な会議となるよう運営に配慮することが必要です。 な
    お、運営推進会議の実践例については、厚生労働省としても今後事例の収集を行
    い、適切な事例等について情報提供を行っていくことを検討しています。
Q12:おおむね二月に一回開催とされているが、定期開催は必須ですか?
A12:必須です。
4 通所介護、短期利用について
Q13:共用型指定認知症対応型通所介護事業者において、栄養マネジメント加算や口腔
    機能向上加算などは算定できますか?
A13:共用型指定認知症対応型通所介護においても、報酬告示等に定められた所定の要
    件を満たせば算定が可能です。
5 計画作成担当者(介護支援専門員)の配置について
Q14:計画作成担当者は、他の事業所との兼務は可能ですか?
A14:介護支援専門員である計画作成担当者は、当該共同生活住居における他の職務を
    除き、兼務することはできません。(指定地域密着型サービスの事業の人員、設備
    及び運営に関する基準第90条第6項)
Q15:計画作成担当者は非常勤でよいですか? その場合の勤務時間の目安はあります
    か?
A15:非常勤で差し支えありません。 勤務時間は事業所によって異なりますが、当該
    事業所の利用者に対する計画を適切に作成するために、利用者の日常の変化を把握
    するに足る時間の勤務は少なくとも必要です。
Q16:計画作成担当者のユニット間の兼務は可能ですか?
A16:各共同生活住居(ユニット)に、それぞれ配置することとなっているので、他の
    共同生活住居と兼務はできません。(指定地域密着型サービスの事業の人員、設備
    及び運営に関する基準第90条第6項)
Q17:例えば、2 ユニットの場合、2 人の計画作成担当者が必要となりますが、2人と
    も介護支援専門員であることが必要ですか?
A17:計画作成担当者のいずれか1 人が、介護支援専門員の資格を有していれば足りま
    す。
6 研修について
Q18:認知症対応型サービス事業管理者研修の受講要件として認知症介護実践者研修が
    ありますが、同時受講が可能ですか?
    (H17年度は実践者研修と管理者研修の同時開催でしたが、実践者研修の修了が条
    件となると研修は別途開催と考えますがいかがですか?)
A18:実践者研修と管理者研修は、その対象者、受講要件並びに目的が異なることか
    ら、双方の研修を同時に開催することは想定していないため、同時受講することは
    できません。
Q19:現に管理者として従事していない認知症介護実務者研修修了者が、管理者として
    従事することになる場合は新たに認知症対応型サービス事業管理者研修を受講する
    必要がありますか?
A19:受講が必要です。 ただし、平成17 年度中に、都道府県が実施した「認知症高
   齢者グループホーム管理者研修」を受講している者については、認知症対応型サー
   ビス事業管理者研修を受講した者と見なして差し支えありません。
Q18:18年度中の研修履修の経過措置は考えられますか? (都道府県の研修会の実施
   が遅く、定員も少ないため、研修参加を希望しても履修できません。 急な傷病欠
   勤等に対応する人員の確保難しいです)
A18:経過措置については、「「指定地域密着型サービス及び指定地域密着型介護予防
   サービスに関する基準について」に規定する研修について」(平成18年3月31日老
   計発第0331006号、老振発第0331006号、老老発第0331019号厚生労働省老健局
   計画課長、振興課長、老人保健課長連名通知)のとおりです。 平成18 年度の研修
   実施要綱において、指定基準を満たそうとする受講者に対して、市町村からの推薦
   書を付けて受講申込みをすることとしており、各都道府県に対しては、それに対し
   て配慮を行うことをお願いしているところです。