公共の老後の住まい①「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」

  「横浜のアオヤギ行政書士事務所」特別養護老人ホーム(特養)につき解説いたします、ご質問やご意見は下記のフォームに記載の上、メールにて送信下さい。 なお、返信希望のご質問には、貴メールアドレスの記載をお忘れなく。    厚生労働省は2014年3月25日、特養に希望しても入れない入所待機者が2013年度は全国で計52万1688人に上ったと発表しました。 4年前の前回調査(2009年度、42万1259人)に比べて23.8%増え、急速に進む高齢化に特養の整備が追いついていない現状が浮かびました。
 特養は有料老人ホームなどより、料金が安く、希望者が大変多いのが現状です。 待機者の中でも他の介護施設には入らず、自宅で特養の空きを待っている人は25万7934人(49.4%)。 このうち、介護の必要性が最も高い要介護5と、その次に必要性が高い要介護4の人を合わせた数は8万6051人と1/3を占め、前回より3割近く増加しました。 一方、介護老人保健施設(老健)など他の施設に入所して空きを待っている人は26万3754(50.6%)でした。
 厚労省は2015年度から新たに特養に入所できる人を原則、要介護3以上の中・重度者に絞り込みます。 それでも要介護3以上の待機者は2013年度時点で34万4162人で、全体の2/3に達します。
 特養の入所待機者を都道府県別にみると、上位は▽東京都4万3384人▽宮城県3万8885人▽神奈川県2万8536人など。 しかし、宮城など4県は、1人で複数施設に申し込んだ人を「複数の待機者」と数えており、厚労省は「単純比較はできない」としています。 現在特養は約7900カ所あり、約51万6000人が入所しています。

 

 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)とは、心身の病気や障害により自宅で自力で生活することが困難であり、家族による在宅介護を受けることができない状況であり、在宅介護サービス事業者による介護が困難であり、在宅介護サービス事業者による介護よりも施設入所のほうが要介護者のクオリティ・オブ・ライフ (QOL) にとって望ましい場合、食事・排泄・入浴・就寝・健康管理などの日常生活の介護、心身の機能維持、通院への付き添い、急性の病気・負傷時の病院への搬送・付き添い、介護保険が適用されるサービスに関する相談などを行なうことを目的とする施設である。 通称で特別養護老人ホームまたは特養と言われています。

 

サービスの種類、利用形態

 ①入所、②30日以下に限定して宿泊するショートステイ、③昼間に送迎付きの通いでサービスを受けるデイサービスの3形態があります。

 

入所期限

 入所契約では入所期限はなく無期限ですが、病気や障害が進行や悪化して、心身の状況が、生活施設である介護老人福祉施設でケアできる範囲内を超えた場合は、退所し病院への転院にないます。 急性期の病気や障害で急性期病院に入院する場合、3か月間は入所権を維持できますが、3か月以内に退院し施設に復帰できない場合は入所権は消失し解約と退所になります 。入所権を保有した状態での入院期間は、介護報酬と食費は発生しませんが、居住費(居室利用料)は請求されます。 3か月以内に退院し施設に復帰できずに退所になった場合、病気や障害が介護老人福祉施設で受け入れ可能な状態に回復して、再入所を申請した場合は、他の入所待機者よりも優先的に入所できる運用にしている事業者もあります。

 

利用対象者

要介護1~5のいずれか要介護認定を受けている人ですが、現実的には、要介護4~5

の人に限定されています。

 

居室

現在、約54万室ありますが、常に満室の状態です。

多床室 :一つの居室に複数のベッドを設置して複数の入所者で利用します。

従来型個室 : 一つの居室にベッドを1台設置して一室を一人の入所者が利用します。 

    以前は「個室」と表現していましたが、ユニット型の出現により「従来型個

    室」と表現されます。

ユニット型準個室 : 一つの居室にベッドを1台設置して一室を一人の入所者が利用し

    ます。 居室10室単位で共有スペースであるロビー、ダイニング、簡易キッ

    チン、バス(複数)、トイレ(複数)を共有し、共同生活をします。 介護職員

    はユニットごとに専任になります。 ユニット型個室との差異は、従来型・

    非ユニット型の介護施設をユニット型に改装した場合に、多床室を分割して

    個室に改装した居室です。

ユニット型個室 : 一つの居室にベッドを1台設置して一室を一人の入所者が利用し

    す。 居室10室単位で共有スペースであるロビー、ダイニング、簡易キッチ

    ン、バス(複数)、トイレ(複数)を共有し、共同生活をします。 介護職員は

    ユニットごとに専任になります。

 

事業に必要な専門職

 医師(配置義務はなく嘱託医の場合または提携病院の医師)、看護師、介護福祉士、訪問介護員、訪問介護員、管理栄養士、栄養士、社会福祉士、介護支援専門員、生活相談員

 

入所手続

 入所希望者本人または代理権者(通常は配偶者か子供)は、個々の事業者に入所申込書を提出し、入所希望者である要介護者の、要介護度、心身の状況、現在の滞在場所・滞在期間、受けている医療や介護の状況、在宅の場合は家族介護者の状況などの、入所優先順位を決定する要素を数値化して、総合した数値により待機者の入所優先順位を設定します(先着順ではありません)。 国や都道府県や市区町村の統一申込制度は存在しません。 入所待機者は2014年度60万人と推定されますが入所待機者が1施設で何十人~何百人に達する施設もあり、いつ入所できるか不明なので、入所申込者は、入所できる時期を早め、入所できる可能性を高めるために、入所希望地域やその周辺で複数の施設に重複申し込みをして待機する状況であり、国や都道府県や市区町村の統一申込制度は存在せず、入所希望者・待機者の死亡や他施設への入所や入院により、入所申込している介護老人福祉施設への入所の必要性が消失していても、入所申込者が入所申込をしている介護老人福祉施設に入所の必要性が消失した状況や申し込みの取消しを連絡する義務はなく、連絡されずに名目上・書類上だけ申込み済みで入所待機状態になっている事例も多数あると推定されますので、実質の待機者は名目よりも少ないと考えられます。

 

利用者の負担額

 利用者が支払う費用は、要介護度別と居室種類別の介護報酬の10%+食費+居室種類別の居住費です。

 低所得者に対しては所得水準に応じて、食費と居住費に3段階の減免措置があり、減免分は基礎自治体である市区町村が負担します。

  世帯の医療費+介護費を合算した高額療養費に対して、世帯合算した所得水準に応じて、4段階の自己負担限度額が設定され、限度額を超える高額療養費の支払いは免除され、免除分は公的な医療保険が負担します。

  公的な介護保険が適用される介護を受ける場合は、介護保健が定める介護報酬の自己負担分+医療保険が定める診療報酬の自己負担分、入所・入院した場合の食費・居住費または室料などの支払いが発生します。 低所得者に対しては所得水準に応じて、食費と居住費は3段階の減免措置により減免分は行政が負担し利用可能な社会保障制度を全て利用すれば、本人や家族の所得水準により、本人や世帯の所得が原因で必要な介護や医療を受けられないという状況や、本人の介護や医療に必要な費用を配偶者や子供が負担を強いることがあります。 

 相部屋で、要介護4、年収200万円程度で月5万円程度です、280万円ですと7万円程度です。
 個室ユニット型で年収200万円程度で月10万円前後、280万円で月15万円前後です、施設により若干の差はあります。

 

費用の目安       従来型多床部屋(相部屋)

 

内訳

月額利用料(30日計算)

賃料

9,600320円/1日)

食費

41,4001,380円/1日)

介護保険
1割負担額

要介護1

要介護2

要介護3

要介護4

要介護5

18,900
630円/1日)

20,970
699円/1日)

23,100
770円/1日)

25,170
839円/1日)

27,210
907円/1日)

合計

69,900

71,970

74,100

76,170

78,210

 

 費用の目安         従来型個部屋

 

内訳

月額利用料(30日計算)

賃料

34,5001,150円/1日)

食費

41,4001,380円/1日)

介護保険
1割負担額

要介護1

要介護2

要介護3

要介護4

要介護5

17,310
577円/1日)

19,410
647円/1日)

21,570
719円/1日)

23,670
789円/1日)

25,740
858円/1日)

合計

93,210

95,310

97,470

99,570

101,640

 

 特別養護老人ホームでの看取り

  超高齢化が進む中、利用者の最後を看取る特養が増えてきております。 看取りに介護報酬の加算がつくようになったことや、自然死や平穏死という概念が一般に広がてきたこでが後押ししています。

 特養での看取りは、介護報酬に看取り介護加算が創設された2006年度から増え始めました。 回復の見込みがないと診断された利用者に、看取りに向けた介護をした場合、死亡日から30日までを上限に加算が付くようになりました。 厚生労働省は死亡日に近づくほど報酬を高くし、特養での看取りを増やそうとしています。 神奈川県の社会福祉協議会の調査によると、看取り体制が整備されている59%、整備されていないがする予定である18%でした。

 看取り増加のもう一つの理由は、点滴や胃瘻などで延命せず、自然に枯れるように亡くなる自然死を希望する人が増えたことによります。

 特養での看取りを進めるうえでの課題としては、医療体制の確保です。 特養の配置医は非常勤が認められており、コスト面の理由で常勤医を置く施設は少ない。

 次に、職員への支援も大きな課題です。 医師や看護師がいない中で、利用者を看取るのは、介護職員にとって大きなストレスとなります。 より良い看取りを進めるには、介護と監護の連携が重要になります。 

特養で看取りを実施している施設⇒ URL:http://www.ryokufuu.com/

 

介護老人福祉施設のQ&A

Q1:介護老人福祉施設介護老人保健施設の違いを教えてください?

A1:介護老人福祉施設=特別養護老人ホーム(特養)と介護老人保健施設(老健

   は介護保険施設です、どちらの場合も入所するためには市町村で要介護認定を

   受け、施設に入所を申し込む必要があります。
    特養は、身体上又は精神上の著しい障害があるため、常時介護を必要としか

   つ在宅生活が困難な高齢者に対し、入浴・排せつ・食事等の日常生活の世話、

   機能訓練、健康管理、療養上の世話を行うことを目的とした施設です。
    老健は、寝たきりや認知症などで介護を必要とするお年寄りを、病院や施設

   などから受け入れ、1日も早く家庭へ復帰できるよう、サービスを提供している

   施設です。 いずれも待機者が多く入所まで時間がかかる施設が多いようで

   す。 老健は在宅復帰が目的のため3ヵ月毎に退所の可否が検討されるので回

   転が速く若干入所しやすいようです。 相対的なイメージとしては特養

   護老健医療に力点が置かれています。

 

Q2:介護老人福祉施設と特別養護老人ホームとの違いはなんですか? 入所の年齢  

   制限はありますか?

A2:介護老人福祉施設とは、「特別養護老人ホーム」の介護保険制度施行後の呼び

   方で、同じものです。 入所対象は原則65歳以上で、入院加療を要する病態で

   はないけれど常時介護を必要とし、在宅介護が困難な人です。 初老期認知症

   に該当する場合や、60歳以上の人の配偶者が老人ホーム入所の措置を受ける場

   合は、60歳未満でも入所できます。
Q3:祖母90歳(認知症)が介護老人福祉施設に入所していますが、先日左腕を骨折し

   たと施設から連絡があり、夕方病室を訪ねるとベッドから転倒しているところ

   に遭遇、そのまま夜間あいている病院(その施設と提携していないところ)に連

   れて行き、CTを撮ってもらったのですが異常はないということでとりあえず安

   心し、また施設に帰りました。 そして、次の日、またトイレで転倒している

   ところを発見され、また別の病院に連れて行き、大きなコブはできているもの

   のCTに異常はなく、また施設に帰ったのですが、それからまた2時間もしない

   うちにベッドから転倒したと連絡があり、今その対応中です。
     こういった場合は何処に相談したらよいのでしょうか?

A3:家族の方は施設は安全と考えているようですが、家にいるより転倒のリスクは

   高いです。 よろけた際に、家だと狭いのですぐに摑まるものがありますが施設

   は広いのでそのまま転倒します。 ただし、認知症の方で1度でも施設内で転倒

   暦がある場合、細心の注意をするのが施設です。 認知症の程度が不明なので

   推測ですが、認知症のかたは自分が骨折してる、足が痛い等を覚えいない、ま

   た転倒した事も忘れているので1度転倒してもまたお一人で歩行されるます。

   普通の施設であれば第三者オンブズマンへの苦情受付が施設内、パンフレット

   等に記されているはずです。 1度相談したほうが良いと思います。 またどう

   転倒したか等は記録として残ってるはずなのでご家族は知る権利があるので頼

   め施設側は施設が把握してるだけの状況を開示してくれるでしょう。
 

Q4:現在有料老人ホームに入居しています。 現住所は入居している老人ホームに

   なっています。  特養に入所する場合の費用は?

A4:世帯分離の母親の費用は、まず、介護保険の限度額認定証の申請を行ってくだ

   さい。 これによって特養へ入所された際の費用軽減が図れます。

   

Q5:申し込みはどのようにしますか?
A5:まず、施設へ直接訪問し、家族が申し込みます。 そのご、現状の聞き取り、

   面談があります。 

Q6:特養の施設はどこにありますか?

A6:社会福祉機構の検索サイト⇒http://www.wam.go.jp/kaigo/search01.jsp

   都道府県、市町村、を入力し、老人福祉施設をクリックして検索すれば特養の

   一覧がでます。

Q7:入所順位の優劣は? 

A7:①要介護度:重度の要介護5の方が上位になります。

   ②生活状況:単身独居が高点数になります。 同居の場合は高齢者世帯が高点

    です。

   ③介護サービスの利用状況:在宅で待機されている方が高くなります。 介護

    付有料老人ホームだと抑えられた配点です。
   ④認知症の問題行動:毎日の問題行動に配点がありますが施設として敬遠する

    傾向があります。