在留資格「技能実習」

   「横浜のアオヤギ行政書士事務所」が在留資格「技能実習」につき解説致します、日本政府が、不足する労働者対策の一環として、技能実習の入国を促す政策に切換え、来年度からの実施を目指すとの事です。 従来は、技能実習で入国したものの、現実的には、造船所などの現場での作業員として労働に従事しているため、厳しく対応する方向でしたが、原発のごみ処理、超高齢・人口減少社会、オリンピックを控えての労働力不足のために、政策を大きく転換してきました。  ご質問やご意見は下記のフォームに記載のうえ、メールにて送信下さい。 なお、返信希望のご質問は、貴メールアドレスの記載をお忘れなく。

 

技能実習制度

 技能実習制度は、我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的としております。

 技能実習制度は、外国人が出入国管理及び難民認定法別表第1の2の表の「技能実習」の在留資格をもって日本に在留し、技能等を修得する制度で、平成5年に創設されました。

⇒⇒⇒技能実習の流れ [423KB] 

 

平成26年5月30日朝日新聞QTE

 外国人に日本で働きながら様々な技術を学んでもらう技能実習制度について、政府は受け入れ期間をいまの最長3年から最長5年に延ばす方針を固めた。対象の職種に「介護」「林業」など5分野ほどを追加することも検討する。国内で人手不足が広がっており、技能実習を拡大することで実質的に外国人労働者を増やし、人材を確保するねらいだ。

  出入国管理法を所管する法務省の分科会が、制度見直しの報告書をとりまとめた。政府は6月にまとめる成長戦略に盛り込み、来年度からの実施を目指す。

 現在、外国人の技能実習生は約15万人。安倍政権は、社会的な負担が大きい単純労働者や移民の受け入れには慎重な姿勢を保ちつつ、期間限定の技能実習を拡充して当面の人手不足を補う考えだ。ただ、本来は日本の技術を学んでもらう「国際貢献」のはずの技能実習を人手不足対策に使うことには批判も強い。

 技能実習の対象は「機械加工」「養殖業」など68職種。人手不足が深刻な介護林業のほか、アジアへの出店を増やしたい小売業界などが、将来の現地採用を見据えて要望している「店舗運営管理」「総菜製造」、途上国が求めている「自動車整備」を加えることを検討する。

 実習期間は、成績優秀者に限るなどの条件つきで、最長5年に延ばす。   3年間でいったん帰国しても、再び来日して2年間程度の再実習を認める。受け入れの人数枠も増やす方針だ。 劣悪な労働環境などが問題になる例も多いため、受け入れ団体の監視などを担う国際研修協力機構(JITCO)は、法律に基づく法人にするなど機能強化を検討する。罰則の検討も盛り込んでいる。

 政府が外国人技能実習の年限を延長して受け入れを広げるのは、景気回復による足元の人手不足に加え、人口減少で働き手がこれからどんどん減るためだ。しかし、国際貢献という本来の目的と実態の食い違いが大きい制度を広げることが、抜本的な解決策になるのかとの疑問も根強い。

 政府は4月、震災復興や東京五輪の開催で人手不足が深刻な建設業で、実習を終えた外国人がさらに最長3年働けるようにした。他の業界にも外国人の活用を求める声は多く、産業競争力会議の有識者や自民党が期間延長や受け入れ職種の拡大を政府に提案していた。

 法務省が拡大を検討する職種は、その代表例だ。介護は2025年に担い手が最大100万人不足するとの推計がある。林業も働き手の高齢化と後継者難に悩む。しかし、技能実習は現状でも、日本弁護士連合会が廃止を求めるなど反発が強い。日本の技術を途上国に移すのが本来の目的だが、低賃金での長時間労働や暴力を受けるなどのトラブルが多いのが実態だ。政府は監視の強化に取り組んできたが、2012年時点でも約8割の職場で何らかの法令違反があった。

 外国人の活用について、政府は単純労働者の本格的な受け入れや移民については否定している。UNQTE

平成26年4月5日朝日新聞QTE

 経済財政諮問会議産業競争力会議の合同会議は4日、民間議員が介護や農林水産分野で外国人の「技能実習生」の受け入れを増やすよう提言。育児などで働きたくても働けない女性の就労を支援するため、家事サービス分野での受け入れも求め、政府として検討することが決まった。 厚生労働省によると、日本で働く外国人は70万人余り。政府は今後、受け入れ可能な人数や対象分野の拡大も議論するが、政府・与党内には「治安が悪くなる」「賃金水準が下がる」と慎重な意見もある。安倍晋三首相は「移民政策と誤解されないよう配慮しつつ(受け入れの)検討を進めてほしい」と指示した。

 期間限定で外国人労働者を受け入れるが、永住は認めないという技能実習制度には、「働き手を軽視している」などとの批判がある。 政府はこの日、復興需要などで人手不足が深刻な建設分野で、実習修了後の再就労を認めることを正式に決めた。現在は最長3年間だが、実習後に追加で2年間働けるようにし、いったん帰国した人は最長3年間の再入国を認める。 UNQTE

 

技能実習の該当範囲

1号
イ (企業単独型・入国1年目)

  本邦の公私の機関の外国にある事業所の職員又は本邦の公私の機関と法務省令で 

  定める事業上の関係を有する外国の公私の機関の外国にある事業所の職員がこれ

  らの本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて当該機関の本邦にある事業所の業

  務に従事して行う技能等の修得をする活動(これらの職員がこれらの本邦の公私

  の機関の本邦にある事業所に受け入れられて行う当該活動に必要な知識の修得を

  する活動を含む)
ロ (団体監理型・入国1年目)

  法務省令で定める要件に適合する営利を目的としない団体により受け入れられて

  行う知識の修得及び当該団体の策定した計画に基づき、当該団体の責任及び監理 

  の下に本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて当該機関の業務に従事して行う 

  技能等の修得をする活動
2号
イ (企業単独型・入国2、3年目)

  1号イに掲げる活動に従事して技能等を修得した者が、当該技能等に習熟するた 

  め、法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて当該機関にお

  いて当該技能等を要する業務に従事する活動
ロ (団体監理型・入国2、3年目)

  1号ロに掲げる活動に従事して技能等を修得した者が、当該技能等に習熟するた

  め、法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて当該機関にお

  いて当該技能等を要する業務に従事する活動(法務省令で定める要件に適合する

  営利を目的としない団体の責任及び監理の下に当該業務に従事するものに限

  る。)

 

該当例

技能実習生

 

在留期間

1年、6月又は法務大臣が個々に指定する期間(3年を超えない範囲)

 

技能実習1号イ提出書類

1 在留資格認定証明書交付申請書【PDF形式】 【EXCEL形式】 1通
2 写真(縦4cm×横3cm) 1葉
      申請前3か月以内に正面から撮影された無帽、無背景で鮮明なもの。
    写真の裏面に申請人の氏名を記載し、申請書の写真欄に貼付して下さい。
3 返信用封筒(定形封筒に宛先を明記の上,送料分の切手(簡易書留用)を貼付し

  たもの)   1通
4 技能実習の内容、必要性、実施場所、期間及び到達目標(技能実習の成果を確認

  する時期及び方法を含む。)を明らかにする次の文書
 (1)招へい理由書(修得する技能等、招へいの経緯、技能実習の必要性等につい

    て記載した文書、書式自由) 1通
 (2)技能実習1号実施計画書(別記様式[PDF]  1通
 (3)講習実施予定表(別記様式[PDF] 1通
5 本邦入国後に行う講習の期間中の待遇を明らかにする文書
  講習中の待遇概要書(別記様式)[PDF] 1通
6 帰国後本邦において修得した技能等を要する業務に従事することを証する次のい

  ずれかの文書
 (1)技能実習生派遣状(本国の所属機関が作成した、帰国後の申請人の地位、職

    種に関する記載があるもの、書式自由) 1通
 (2)復職予定証明書(本国の所属機関が作成した、申請人の現在の地位、職種に

    関する記載があり、帰国後に復職する予定であることについての証明書、書

    式自由) 1通
7 送出し機関の概要を明らかにする次の資料
 (1)送出し機関概要書(別記様式)[PDF] 1通
 (2)送出し機関の概要が分かるパンフレット等 1通
 (3)送出し機関が登記・登録されていることを証する公的な資料 1通
      最新の内容(登記事項)が反映されたもの
8 実習実施機関の登記事項証明書、損益計算書の写し、常勤の職員の数を明らかに

  する文書及び技能実習生名簿
 (1)実習実施機関概要書(実習実施機関の状況、技能実習事業の実績等について

    記載した文書、参考様式[PDF]) 1通
 (2)登記事項証明書又は実習実施機関の概要が分かるパンフレット等 1通
 (3)損益計算書、貸借対照表等 適宜
 (4)現在受け入れている技能実習生名簿(国籍、氏名、生年月日、在留カード番

    号(在留カードとみなされる外国人登録証明書の番号を含む。)、上陸年月

    日、在留資格、在留期限等を記載した名簿,書式自由) 1通
      その他、常勤職員数を確認する文書として、直近の雇用保険納付書控等の写

    しを求めることがあります。
 外国の所属機関と本邦の実習実施機関の関係を示す文書
 (1)外国の所属機関が本邦の実習実施機関の海外の事業所、子会社等の場合は、

    出資率及び出資額が明記された日本の財務大臣あて対外直接投資に係る外貨

    証券取得に関する届出書の写し 1通
 (2)外国の所属機関が本邦の実習実施機関と取引関係のある企業の場合は、信用

    状及び船荷証券(航空貨物運送状を含む)の写し 1通
10 外国の所属機関における職務内容及び勤務期間を証する文書
   履歴書(職務経歴を含む、書式自由) 1通
     その他、戸口簿(中国の場合)など申請人の職業等についての公的資料を求め

   る場合があります。
11 送出し機関及び実習実施機関と技能実習生の間に締結された技能実習実施に係る

   次の契約書の写し
 (1)送出し機関と技能実習生との間で締結された契約書(本国の所属機関が作成

    し、申請人に交付した出向命令書及び転勤命令書・辞令含む)の写し1通
 (2)実習実施機関と技能実習生との間で締結された契約書の写し 1通
12 実習実施機関における労働条件を当該外国人が理解したことを証する文書
   労働条件通知書(申請人が理解できる言語で記載され、かつ、申請人の署名があ

   るもの)の写し 1通
13 技能実習指導員の当該技能実習において修得しようとする技能等に係る経歴を証

       する文書
     技能実習指導員履歴書(書式自由) 1通
14 本邦外において講習又は外部講習を受けた場合は、当該講習又は外部講習の内

   容、実施機関、実施場所及び期間を証する文書
 (1)実習実施機関が本邦外において実施した講習を受けた場合は,次の文書
       ア 海外の講習実施施設の概要を明らかにする文書 1通
       イ 実習実施機関と海外の講習実施施設との間に締結された講習実施に係る契

     約書の写し 1通
       ウ  実習実施機関が作成した本邦外における講習・外部講習実施(予定)表           

    (別記様式[PDF] 1通
        在留資格認定証明書交付申請を行う時点で、受講済みの講習が所定の時間

    (1か月かつ160時間)に足りない場合は、所定の時間を終えた時点で、そ

      の旨を証明する文書を地方入国管理局に提出して下さい。
 (2)外国の公的機関又は教育機関が実施した外部講習を受けた場合は、次の文書
         ア 外部講習を実施した公的機関又は教育機関の概要を明らかにする文書 

      1通
       イ 公的機関が講習を他の機関に委託した場合は、委託契約書等委託関係を明

     らかにする資料及び当該他の機関の概要を明らかにする文書 各1通
       ウ 外部講習を実施した公的機関又は教育機関が作成した本邦外における講  

     習・外部講習実施(予定)表(別記様式[PDF] 1通
       在留資格認定証明書交付申請を行う時点で、受講済みの外部講習が所定の

     時間(1か月かつ160時間)に足りない場合は、所定の時間を終えた時点

     で、その旨を証明する文書を地方入国管理局に提出して下さい。

 (3)「技能実習1号イ」の上陸許可基準省令第1号に規定する本邦若しくは外国 

     の公私の機関が実施した外部講習を受けた場合は、次の文書
       ア 海外の講習実施施設の概要を明らかにする文書 1通
       イ 外部講習を実施した本邦若しくは外国の公私の機関が作成した本邦におけ

     る講習・外部講習実施(予定)表(別記様式[PDF] 1通
       在留資格認定証明書交付申請を行う時点で、受講済みの外部講習が所定の

     時間(1か月かつ160時間)に足りない場合は、所定の時間を終えた時点

     で、その旨を証明する文書を地方入国管理局に提出して下さい。  
15  身分を証する文書(身分証明書等) 提示 
    上記15については、代理人、申請取次者若しくは法定代理人が申請を提出する場

  合において、申請を提出することができる方かどうかを確認させていただくため

  に必要となるものです。
  このほか、技能実習生の受入れ形態及び修得する技能等によっては、上記以外の

  資料を求める場合があります。また、申請いただいた後に、当局における審査の

  過程において、上記以外の資料を求める場合もありますので、あらかじめ、ご承

  知おき願います。

 

入国・在留手続

1.在留資格証明書の交付申請

 技能実習生を受け入れようとする実習実施機関(企業単独型のみ)又は監理団体は、まず、地方入国管理局に在留資格認定証明書の交付申請を行うことになります。この証明書は、申請に係る技能実習生が入管法令の定める許可要件に適合していることを証するもので、有効期間は3ヶ月です。なお、監理団体は、技能実習生を受け入れるに当たっては、職業紹介事業の許可又は届出が必要です。
 (団体監理型受入れ「監理団体の職業紹介事業の要件参照)

2.査証の取得と上陸許可

 技能実習生として日本に上陸しようとする外国人は、有効な旅券と査証を所持しなければなりません。 査証は、在留資格認定証明書等を提示して日本の在外公館に申請します。 そして、日本の空港・海港で旅券、査証等を入国審査官に提示し、在留資格「技能実習1号イ(又はロ)」在留期間1年(又は6月)とする上陸許可を受けて初めて技能実習生としての活動ができます。

3.在留資格変更許可

 技能実習1号から技能実習2号へ移行しようとする技能実習生は、移行対象職種・作業等に係る技能検定基礎2級等の試験に合格した上で、地方入国管理局に在留資格変更許可申請を行うことになります。 この申請は、在留期間が満了する1ヶ月前までに行わなければなりません。

4.在留期間変更許可

 技能実習1号(在留期間6月の場合)や技能実習2号について、技能実習生は、通算して滞在可能な3年の範囲内で、在留期間の更新申請を地方入国管理局に行うことができます。 この申請の時期は、在留期間が満了する1ヶ月前までが好ましいと言えます。

5.在留カードの交付

 現行の在留管理制度では中長期在留者が対象者となり、在留カードが交付されることになります。 技能実習生で、例えば「在留期間」が1年又は6月の許可を受けて在留している場合には、在留カードが交付されます。 ただし、2012年7月9日前から在留されている方が外国人登録証明書を所持している場合には、その外国人登録証明書は、一定の期間は在留カードとみなされます。
    

法務省入管局の技能実習生の入国と在留資格の指針

適正な入国・在留のための留意点
(1) 技能実習計画の策定
(2) 監理団体の役割
  ① 「監理」の在り方
  ③ 講習の実施
    a 講習の時間数
    b 講習の内容
    c 日本語教育の重要性
    d 講習の実施場所
    e 日誌の作成等
    f 本邦外における講習等の実施
  ④ 相談体制の構築
  ⑤ 生活指導員の育成
  ⑥ 技能実習指導員の育成
  ⑦ 適正な技能実習生の選抜
  ⑧ 実習実施機関における不法就労の排除
  ⑨ 不適切な方法による技能実習生の管理の禁止
  ⑩ 講習手当の支払
  ⑪ 監理費の適正な取扱い
  ⑫ 帰国担保措置
  ⑬ 監査・報告の在り方
    a 監査・報告の必要性
    b 監査報告
    c 実習実施機関による不正行為を知った場合の監査報告
    d 問題事例等の報告
  ⑭ 訪問指導の在り方
  ⑮ 帰国報告・失踪事例の取扱い
  ⑯ 監理団体が不正行為を行った場合の取扱い
  ⑰ 技能実習の成果の把握
  ⑱ 帰国後の修得技能等の活用状況に関するフォローアップ
  ⑲ 監理団体の体制等の整備 

3)実習実施機関の役割
  ① 技能実習計画に従った技能実習の実施
  ② 技能実習生に対する生活指導
  ③ 生活指導員の在り方
  ④ 技能実習指導員の在り方
  ⑤ 適正な技能実習生の選抜
  ⑥ 技能実習生のリーダー
  ⑦ 不適切な方法による技能実習生の管理の禁止
  ⑧ 労働関係法令の遵守
  ⑨ 賃金の支払
  ⑩ 問題事例の報告,失踪事例の取扱い
  ⑪ 技能等の修得状況の確認
  ⑫ 講習の実施(企業単独型のみ)
    a 講習の時間数
    b 講習の内容
    c 日本語教育の重要性
    d 講習の実施場所
    e 日誌の作成等
  ⑬ 帰国担保措置(企業単独型のみ)
(4) 送出し機関の役割
  ① 適正な技能実習生の選抜
  ② 我が国の技能実習制度に対する認識
  ③ 十分な事前講習の実施
  ④ 保証金の徴収の禁止等
  ⑤ 帰国後の修得技能等の活用状況に関するフォローアップ

 過去の行為等による基準不適合事由
1 実習実施機関等が過去5年以内に入管法や労働関係法令に違反して刑罰を受けたこ

 とがあること
2 実習実施機関の経営者等が他の機関で技能実習の監理等に従事していた期間中に他  

 の機関が「不正行為」を行っていること
3 実習実施機関等が過去5年以内に不正に外国人の在留に係る許可を受けさせる目的 

 等で偽変造文書等の行使又は提供をしたことがあること

 

JITCO(公益財団法人国際研修協力機構)の活用

新たな技能実習制度の概要
 改正法によって、新たな在留資格「技能実習」が創設され、これによって①実務研修を行う場合は、原則、雇用契約に基づいて技能等の修得をする活動を行うことを義務付け、労働基準法や最低賃金法等の労働関係法令上の保護が受けられるようにすること、②技能実習生の安定的な法的地位を確立する観点から、従来、独自の在留資格がなく、在留資格「特定活動」(法務大臣が個々に活動内容を指定する在留資格)により在留が認められていた技能実習生に、独立の在留資格である「技能実習」を付与することが可能となりました。
 実務研修を含む研修を実施する場合、 これまでは、 1年目は「研修」、2年目、3年目は「特定活動」で在留していましたが、新たな技能実習制度では、1年目から「技能実習」で在留することとなります。

 

技能実習制度に係るQ&A   

1.制度全般
Q1-1 今回の法律の改正で研修・技能実習制度はどのように変わりますか?

A (1)実務研修(いわゆるOJT)を行う場合は、原則、雇用契約に基づき技能修 

  活動を行うことを義務づけ、労働基準法や最低賃金法等の労働関係法上の保護が

  受けられるようにすること、(2)技能実習生の安定的な法的地位を確立する観点か 

  ら、現在、独自の在留資格がなく、在留資格「特定活動」(法務大臣が個々に活

  動内容を指定する在留資格)として在留が認められている技能実習活動につい

  て、その在留資格を整備することとし、これらの2つの活動を行う在留資格とし

  て新たに在留資格「技能実習」を創設します。 また、ブローカー対策として、

  許可された受入れ機関以外の機関に研修生等をあっせんした者や、不実の記載の

  ある文書の作成等に加担して研修生等を入国させた者を新たに退去強制できるよ

  うにします。

Q1-2 今回の法改正では、1年目から技能実習生が労働者として扱われますが、い

  わゆる単純労働者を受け入れるという政策に転換したのですか?

A 今回の研修・技能実習制度の見直しは、一部の受入れ機関において不適正な受入

  れが行われ、研修生・技能実習生が実質的に低賃金労働者として扱われるなど問

  題のある事例が増加している現状に対処し、研修生・技能実習生の保護の強化を

  図る観点から、実務研修を伴うものについては原則として雇用契約を締結した上

  で実施させ、実務研修中の研修生が労働関係法令上の保護を受けられるようにす

  ること等を目的としたものです。 したがって、今回の改正は、研修生・技能実

  習生が我が国で技能等を修得し、これにより出身国に技能等の移転を図るという

  研修・技能実習制度の目的を変更するものではなく、また、単純労働者の受入れ

  に移行するものでもありません。

Q1-3 技能実習1号と技能実習2号とに区分した理由は何ですか。また、具体的な 

  相違点は何ですか?

A 技能実習1号では、一定期間の講習を義務付けた上で技能等を修得する活動を行

  うのに対して、技能実習2号では、技能実習1号で一定の水準以上(技能検定基

  礎2級等)の技能等を修得した者が、当該技能等に習熟するための活動を行うも

  のです。 また、技能実習1号では、修得しようとする技能等が同一作業の反復

  のみによって修得できるものでなければ特段の職種の制限はありませんが、技能

  実習2号では、対象職種が技能レベルを評価するための公的試験制度が設けられ

  ている一定の職種に限られています(平成22年4月1日現在66職種)。

   このように、活動内容、技能実習生の技能レベル、対象職種が異なるため技能

  実習1号と技能実習2号を区別しています。

Q1-4 改正法施行後も在留資格「研修」に該当する活動はどのようなものがありま

  すか?

A 改正法施行後も引き続き在留資格「研修」で受け入れる研修については、実務作

  業を伴わない非実務のみの研修のほか、国、地方公共団体又は独立行政法人等の

  資金により主として運営される事業として行われる研修等、事業主体や資金面等

  から公的性格が認められる研修が該当します。

Q1-5 旧制度の下で入国して技能実習に移行した在留資格「特定活動」の技能実習

  生と、新制度の下で入国した在留資格「技能実習1号イ」又は「技能実習1号

  ロ」の技能実習生が混在するケースが予想されますが、制度上の違いはあるので

  すか? 

A いずれも技能実習を実施する機関との雇用契約に基づき当該機関の業務に従事す

  る者であることは共通していますが、在留資格「技能実習1号イ」又は「技能実

  習1号ロ」が技能等を修得する活動を行うものであるのに対して、旧制度の在留

  資格「特定活動」をもって行う技能実習は一定水準以上の技能等を修得した者が

  当該技能等に習熟するための活動を行うものです。 また、旧制度の「特定活

  動」で実施されている技能実習は、受入れ団体の監理によらずに行われています

  が、改正法施行後は、在留資格「技能実習2号ロ」で行われる技能実習に対して

  も監理団体が監理を行う必要があります。

Q1-6 旧制度において在留資格「特定活動」で行う技能実習では職種を制限してい

  ましたが、改正法施行後は入国1年目の技能実習1号においても職種の制限を行

  うのですか?

A 入国1年目に当たる技能実習1号では、旧制度の在留資格「研修」の場合と同様

  に、(1)技能実習生の修得しようとする技能等が同一の作業の反復のみによって修

  得できるものではないこと、(2)住所を有する地域において修得することが困難な

  ものであること等を要件としていますが、その対象となる職種については制限し

  ていません。  なお、入国2年目以降(技能実習2号)については、旧制度の

  技能実習と同様に、技能検定等の公的評価制度のある職種に限定しています。

Q1-7 在留資格「技能実習」の在留期間はどのようになるのですか?

A 入管法施行規則において、技能実習1号の在留期間は「6月」又は「1年」、技 

  能実習2号の在留期間は「1年を超えない範囲内で法務大臣が個々の外国人につ

  いて指定する期間」と規定されています。

Q1-8 在留資格「技能実習」に係る上陸基準はいつから適用されるのですか?

A 新たな研修・技能実習制度に係る上陸基準省令は、平成22年7月1日から施行さ

  れていますが、同施行日以降に入国する技能実習1号の技能実習生に係る在留資

  格認定証明書交付申請は、施行日前でも新たな上陸基準省令が適用されます。

Q1-9 改正法施行後は、入国1年目の技能実習生に対しても時間外労働が認められ

  るのですか?

A 技能実習生は、企業等との雇用契約に基づき、より実践的な技能等を修得するた

  めの活動を行う者ですので、労働関係法令が適用され、技能実習制度の趣旨から

  逸脱しない範囲(注)で、時間外労働等が認められることになります。

 (注)当該時間外労働が技能等修得活動の一環として実施される必要があるととも

  に、技能実習生に対する指導が可能な体制が構築されていなければなりません。 

 

2.保証金等                                    

Q2-1 上陸基準省令において送出し機関等が技能実習生等から保証金を徴収するこ

  と等を禁止することとしたのはなぜですか?

A 失踪防止等を名目として、送出し機関等が研修生本人から高額な保証金を徴収し

  ているケースがあり、これが研修生の経済的負担となって研修の時間外作業や不

  法就労を助長しているとの指摘もあることから、技能実習生等から保証金を徴収

  すること等を禁止したものです。 なお、先般の入管法改正に係る国会審議にお

  いて、「保証金の徴収を行う外国の送出し機関からの外国人研修生、技能実習生

  の受入れを認めないことを含め、必要な措置を講ずること」との附帯決議がなさ

  れています。

Q2-2 送出し機関にはどのようなものが該当するのですか?

A 送出し機関には、技能実習生が国籍又は住所を有する国の所属機関や技能実習生

  が本邦において行おうとする技能実習の準備に関与する外国の機関が該当し、技

  能実習生の募集・選抜を行う機関,技能実習生を推薦する機関等も含まれます。

Q2-3 技能実習生以外にどのような者から送出し機関等が保証金等を徴収すること 

  が禁止されるのですか?

A 技能実習生の配偶者、直系又は同居の親族、技能実習生と社会生活において密接

  な関係を有する者(友人や職場の上司等)から送出し機関等が保証金等を徴収す

  ることが禁止されます。

Q2-4 送出し機関が技能実習生等から保証金を徴収していないこと等をどのような

  方法で確認するのですか?

A 在留資格認定証明書交付申請等において、送出し機関と技能実習生との間の契約

  書の提出を求め、当該契約の中に保証金の徴収等の不適正な取決めがないかを確

  認します。 また、在留資格認定証明書交付申請書において、申請人である技能

  実習生又は申請代理人である監理団体若しくは実習実施機関の職員が保証金の徴

  収の有無を記載する必要があり、監理団体又は実習実施機関にも送出し機関によ

  る不適正な取決めがないことを確認していただくことになります。

Q2-5 送出し機関と技能実習生との間の契約に不適正な取決めがあった場合、当該送

  出し機関に対してどのように対処するのですか?

A 在留資格認定証明書交付申請において、送出し機関と技能実習生との間の契約書

  等の提出を求め、当該契約の中に不適正な取決めがあることが判明した場合は、

  その申請を不交付とし、以後、当該送出し機関からの技能実習生は慎重審査の対

  象となります。 また、当該送出し機関又はその経営者若しくは管理者が偽変造

  文書等を作成及び提出した場合は、上陸基準省令の規定により同機関が関与する

  技能実習生の受入れを一定期間認めないことになります。

Q2-6 送出し機関と監理団体の間など機関相互間で、労働契約の不履行に係る違約 

  金を定める契約等を締結することを禁止したのはなぜですか?

A 送出し機関が技能実習生から高額な保証金を徴収する要因の一つとして、技能実

  習生が失踪した際に監理団体等が送出し機関に対して違約金を請求することがあ

  るとの指摘があり、このような機関相互間における技能実習生の労働契約不履行

  に係る違約金等を定める契約を締結することは不適切であることから禁止したも

  のです。

 

3.講 習                                      

Q3-1 海外のどのような機関で、どのような内容の事前講習を受ければ、国内で行 

  う講習の比率に係る要件が緩和されるのですか?

A 本邦外における外部講習については、外国の公的機関若しくは教育機関又は「技

  能実習1号イ」で受け入れる技能実習生の所属機関が海外で行った講習が該当し

  ます。 また、「技能実習1号イ」においては実習実施機関が、「技能実習1号

  ロ」においては監理団体が、本邦外において行った講習(これらの機関が海外の

  講習実施機関に直接委託した場合を含みます。)も本邦で行う講習の比率に係る

  要件が緩和される講習の対象となります。 これらの講習において、日本語、本

  邦での生活一般に関する知識又は技能等の修得に資する知識の講習を過去6か月

  以内に1か月以上かつ160時間以上受講していれば、講習の比率に係る要件が緩

  和されます。

Q3-2 外部講習を行う外国の公的機関とはどのようなものが該当しますか?    

  また、どのようにして外部講習の実施状況を確認するのですか?

A 外国の公的機関とは、外国の国又は地方公共団体の機関をいいます。また、確認

  方法については、講習を実施した機関が外国の国又は地方公共団体の機関である

  ことを証する資料を提出するとともに、同機関が作成した科目、内容、講習時

  間、講習期間、講師名等を記載した本邦外における講習・外部講習実施表等を提

  出してもらうことになります。 なお、外国の国又は地方公共団体の機関が講習

  の実施を他の機関に委託した場合は、委託契約書等の委託関係を明らかにする資

  料の提出を求めることになります。

Q3-3 外部講習を行う外国の教育機関とはどのようなものが該当しますか? また、

  どのようにして教育機関か否かを確認するのですか?

A 外国の教育機関とは、その国・地域における学校教育制度に照らして正規の教育

  機関と認定されているものであり、かつ、原則として、義務教育終了後に入学す

  るものをいいます。また、その国の正規の教育機関であることを確認するため、

  必要に応じて正規の教育機関であることを証する資料を提出してもらうことにな

  ります。

Q3-4 監理団体が本邦外において実施する講習とは、具体的にはどのようなもので

  すか?

A 監理団体が本邦外で自ら実施する講習のほか、監理団体の責任の下で本邦外の他

  の機関に委託する講習も含まれます。 なお、本邦での講習時間を短縮すること

  ができる講習の内容は、日本語、本邦での生活一般に関する知識及び本邦での円

  滑な技能等の修得に資する知識に係るものに限られます。

Q3-5 講習はすべて入国当初に行わなければならないのですか?

A 上陸基準省令で規定する講習の所定時間数については、技能等修得活動を効果的  

  かつ安全に行う上で必要な最小限のものと考えています。  また、団体監理型 

  において、上陸基準省令で規定する所定時間数に算入できる講習は、実習実施機

  関で技能等修得活動を行う前、つまり入国当初に実施する講習のみが対象となり

  ます。 他方で、企業単独型においては、雇用契約に基づく講習の時間数も省令

  で規定する講習の必要時間数に含まれますが、技能実習生の法的保護に必要な情

  報に関する講習は実習実施機関で講習以外の技能等修得活動を開始する前に行わ

  なければなりません。

Q3-6 講習について省令では4つの科目が規定されていますが、これらはすべて実 

  施しなければならないのですか? また、それぞれどのくらいの割合で講習を実

  施しなければならないのですか?

A 上陸基準省令において講習の科目として掲げている日本語、本邦での生活一般に

  関する知識、技能実習生の法的保護に必要な情報、技能等の修得に資する知識の

  4つの科目については、いずれも実施してもらう必要があります。 なお、技能

  実習生の個々の能力や技能等を修得するために必要な知識の程度によってそれぞ

  れの科目の必要な時間数が異なりますので,各科目について時間数の割合は定め

  ていません。

Q3-7 講習には、これまで非実務研修として位置づけられていた商品の生産を伴わ

  ない機械操作や試作品の製造が含まれるのですか?

A 講習については、いわゆる「座学」により実施されるものとしていますので、商

  品を生産しない場合であっても、商品を生産する施設での機械操作や試作品の製

  造などを講習に含めることはできません。 なお、講習の一部として、技能実習

  を実施する施設等の見学をすることは差し支えありません。

Q3-8 団体監理型において、技能実習生の法的保護に必要な情報に関する講習を外

  部講師によるものと義務付けているのはなぜですか? 他方で、企業単独型にお

  いて、外部講師による講習を義務付けていないのはなぜですか?

A 平成21年3月に閣議決定された「規制改革推進のための3か年計画(再改

  定)」において、「第1次受入れ機関が実施する集合研修において、研修生の母

  語に配慮しつつ、専門的知識を有する外部講師等による講義を実施することを義

  務付ける」として関係法令の施行までに措置することとされていましたので、団

  体監理型の講習における技能実習生の法的保護に必要な情報に係る科目について

  は、外部講師による講習を義務付けました。 なお、企業単独型で受入れを行う

  企業においては、専門的知識を有する講師を内部で確保することが可能であると

  考えられることから外部講師による講習を義務付けていません。

Q3-9  技能実習生の法的保護に必要な方法に関する講習を行う外部講師はどのよう

  な人が該当するのですか?

A 外部講師を行うことができる者の範囲については、入管法令、労働関係法令等の

  技能実習生の法的保護に必要な情報について十分な知識を有すると認められる者

  であり、具体的には国や地方公共団体の職員、弁護士、社会保険労務士、行政書

  士のほか、上部団体の職員や監理団体ではない公益法人の職員等で専門的知識を

  有する者が該当します。

Q3-10 団体監理型の受入れにおいて、監理団体が行う講習の実施場所として実習実

  施機関の会議室や食堂等を使用しても差し支えないのですか?

A 団体監理型の受入れにおいて、実習実施機関の施設で講習を行うことについて

  は、技能実習生が実習実施機関の支配下に置かれるおそれがあるため望ましくは

  ありませんが、やむを得ない事情により実習実施機関の会議室等で講習を行う場

  合には、講習の主催者である監理団体の職員が講習の実施場所に常駐するなどし

  て、技能実習生が実務作業などを行うことがないよう適切な措置を講ずる必要が

  あると考えます。

 

受入れ人数枠                               

Q4-1 受入れ人数枠について、基本的には従来の取扱いと変更されていないのはな

  ぜですか?

A 今回の法改正では、一部の受入れ企業等において研修生等が実質的に低賃金労働

  者として扱われるなどの不適正な問題が生じているため、その適正化のために制

  度の見直しを行ったものです。このような現状を踏まえれば、今回の制度見直し

  で受入れ人数枠を緩和することは適切ではないと考えたためです。

Q4-2 技能実習生を受入れ人数枠算定のための常勤職員数に含めないこととしたの

  はなぜですか?

A 技能実習生は,あくまでも技能等を修得又は習熟する立場にあるため、実習実施

  機関の指導体制の目安として設けている受入れ人数枠の算定根拠となる常勤職員

  数に技能実習生を含めることは適切ではないと考えたためです。

 

5不正行為・欠格要件                               

Q5-1 不正行為の認定を受けた機関において経営者等として技能実習の監理等に従

  事していた者が、他の機関に移籍した場合、一定期間、当該他の機関に技能実習

  生の受入れを認めないこととしたのはなぜですか?

A 不正行為の認定を受けた受入れ団体等の役員が別の団体に移籍したり、新たな団

  体を設立して研修生の受入れ事業を行おうとする事案が見受けられますが、当該

  役員本人に不正行為の認定がなされていない場合でも、これまで当該役員が在籍

  する団体からの申請に対して厳格な審査を実施しています。このような事案につ

  いては、制度の適正化の観点からより厳格に対応することが適切であると考えら

  れますので、改正法施行に併せて基準省令に欠格事由として盛り込んだもので

  す。

Q5-2 送出し機関が不正に在留資格認定証明書の交付等を受ける目的等で偽変造文

  書等を行使又は提供した場合、一定期間、当該機関が関与した技能実習生の受入

  れを認めないこととしたのはなぜですか?

A 監理団体や実習実施機関等が、不正に在留資格認定証明書の交付を外国人に受け

  させる目的等で偽変造文書等の行使又は提供をした場合には不正行為に認定され

  ることになりますが、不正行為認定の対象は本邦の受入れ側の機関に限られ、海

  外にある送出し機関に対しては不正行為認定をすることができませんので、同様

  の事案について海外の送出し機関が関与する場合には欠格事由として研修生・技

  能実習生の受入れを認めないこととしたものです。

Q5-3 不正行為認定された機関に係る技能実習生の受入れ停止期間が3年から5年

  に伸長されるのですか。また、すべての不正行為認定について受入れ停止期間が

  伸長されるのですか?

A 改正法施行後は、不正行為の内容によって研修生・技能実習生の受入れ停止期間

  を1年間、3年間、5年間の3つに分けており、研修生・技能実習生の人権を著

  しく害するような重大な不正行為については受入れ停止期間を5年間に、他方で

  文書保管義務に違反していた場合など軽微な不正行為については受入れ停止期間

  を1年間としています。

 

6.企業単独型

Q6-1 在留資格「技能実習1号イ」(企業単独型)で技能実習生の受入れが可能と

  なる本邦の公私の機関の外国にある事業所とはどのようなものを指すのですか? 

  また、改正法施行前に認められていた合弁企業や現地法人からの受入れは認めら

  れるのですか?

A 在留資格「技能実習1号イ」における「本邦の公私の機関の外国にある事業所」

  は、在留資格「企業内転勤」における「本邦に本店、支店その他の事業所のある

  公私の機関の外国にある事業所」と同義であり、本邦の公私の機関の海外支店並

  びに外国の親会社、子会社、孫会社及び関連会社が該当します。 なお、合弁企

  業や現地法人もこれらに含まれますので技能実習生の受入れは認められます。

Q6-2 企業単独型で海外にある子会社等の社員を技能実習生として受け入れる場

  合、本邦で改めて雇用契約が必要になるのですか?

A 企業単独型の受入れ形態と類似する在留資格「企業内転勤」においては、本店・

  支店間といった同一法人内の異動により本邦へ転勤する場合には改めて雇用契約

  を締結する必要はありませんが、現地法人等の子会社・関連会社等から本邦内の

  公私の機関へ転勤する場合は、通常、出向の形態で行われ、出向元と何らかの関

  係を保ちながら、出向先において新たな労働契約関係に基づき相当期間継続的に

  勤務するとともに、出向先が当該外国人に対する指揮命令権を有することになる

  とされています。 新たな技能実習制度においては、企業単独型で入国する技能

  実習生が送出し機関から出向の形態で本邦の実習実施機関に受け入れられること

  を想定していますので、技能実習生と実習実施機関との雇用契約の内容について 

  技能実習生が理解したことを証する文書として本人の署名がある労働条件通知書

  等(写し)の提出が求められます。

Q6-3 企業単独型による技能実習生の受入れの場合、雇用契約はどのような形態が

  想定されますか?

A 企業単独型の場合、技能実習生が海外の所属機関から本邦の実習実施機関に出向

  し、当該所属機関との雇用契約を維持しながら当該実習実施機関とも雇用関係が

  生じる在籍出向と、海外の所属機関に将来復職することを条件に海外の所属機関

  との雇用関係を終了させ、本邦の実習実施機関と雇用契約を締結する移籍出向が

  想定されます。 なお、いずれの場合でも、講習以外の技能等修得活動を行う前

  の講習期間中は、本邦の実習実施機関との間に雇用関係のない出張扱いとするこ

  とが可能です。

Q6-4 団体監理型では、技能実習生が技能実習を終了して帰国した際、監理団体に

  地方入国管理局への報告義務を課しているが、企業単独型の実習実施機関に当該

  義務を課していないのはなぜですか?

A 外国人を受け入れる企業には、外国人の雇入れ・離職の際、その氏名、在留資格

  等をハローワークに届け出る必要があり、技能実習生を受け入れる実習実施機関

  の場合も同様ですので、地方入国管理局への報告義務は課していません。

Q6-5 在留資格「技能実習1号イ」における講習と在留資格「研修」における非実

  務研修ではどのような違いがあるのですか?

A 技能実習における講習は、いわゆる座学により実施されるものであり、商品を生

  産しない場合であっても、商品を生産する施設での機械操作や試作品の製造など

  は講習に含まれませんが、技能実習を実施する施設等を見学することは差し支え

  ありません。  他方で、在留資格「研修」における非実務研修は、講義形式か

  否かにより決まるものではなく、研修生の行う作業が企業等の商品の生産又は有

  償の役務提供の過程の一部を構成するか否かにより決定されます。  なお、新

  制度においては、「生産機器の操作に係る実習」も実務研修として扱われます

  が、商品を生産する場所とあらかじめ区分された場所や商品を生産する時間とあ

  らかじめ区分された時間において行われる生産機器の操作に係る実習は非実務研

  修として扱われます。

 

7.団体監理型                               

Q7-1 監理団体が行う業務の内容にはどのようなものがありますか?

A 法改正後の団体監理型の技能実習における団体が行う主な業務は、(1)技能実習 

  計画の策定、(2)日本語、生活一般教育等の講習の実施、(3)技能実習の監理等が

  あります。 このうち、「技能実習の監理」の具体的内容としては、団体が策定

  した技能実習の計画に沿った技能実習が企業等で実施されているかにつき、その

  実施状況を把握し、適正な実施についての指導をすること、技能実習に係る監査

  の実施、監査報告書の地方入国管理局への提出等が挙げられます。

Q7-2 監理団体は技能実習生の選抜等に必ず関与しなければならないのですか?

A 監理団体は、技能実習生を受け入れて講習を行い、その後、実習実施機関におけ

  る技能等修得活動の監理を行うことになりますので、技能実習生の受入れに当た

  っては、技能実習生、送出し機関、実習実施機関それぞれの適格性を確認する必

  要があり、監理団体が技能実習生の選抜等に関与することなく、送出し機関と実

  習実施機関との間で直接技能実習生の受入れが行われるようなことがあってはな

  りません。

Q7-3 旧制度の団体監理型の受入れでは、受入れ団体による監理が入国1年目の研

  修に対して実施されているが、この点について改正法施行後はどのように変わる 

  のですか?

A 団体監理型の受入れ団体は、従来は、1年目の研修についてのみ監理を行ってい

  たが、改正法施行後は、1年目だけでなく2年目以降の技能実習についても監理

  を行うことになります。

Q7-4 監理団体が技能実習生の帰国旅費を確保する場合、どのように費用を確保す

  ればよいのですか?

A これまで技能実習生の帰国旅費については労使協定を締結することにより技能実

  習生本人に負担させるような事例も見受けられましたが、技能等を海外へ移転す

  るという技能実習制度の趣旨にかんがみ、技能実習生の帰国に支障を来さないよ

  うにするため、監理団体又は実習実施機関が帰国旅費の全額を負担しなければな

  りません。  また、実習実施機関の倒産などにより技能実習の継続が困難とな

  った技能実習生の帰国旅費の確保が困難となった例が見受けられたため、監理団

  体において帰国旅費の専用口座を設けるなどして技能実習生が本邦に入国した当

  初から帰国旅費を確保する必要があります。

Q7-5 体監理型の技能実習においては、監理団体が技能実習生からの相談に対応

  する体制を構築することとされていますが、この要件を設けた理由は何ですか?

A 監理団体に対し、技能実習生からの相談に対応する体制の構築を義務付けた理由

  は、実習実施機関において技能実習生が人権侵害を受けている場合など実習実施

  機関の技能実習指導員や生活指導員には相談できないケースについて、監理団体

  が技能実習生を保護・支援できるようにするためであり、当該措置の導入は技能

  実習制度の適正化に資するものと考えています。

Q7-6 監理団体に配置する相談員は常勤職員でなければならないのですか?

A 相談員は監理団体の常勤職員でなくても差し支えありませんが、技能実習生から

  の相談は実習時間外になされるケースが大半であると考えられますので、休日や

  夜間の相談にも対応できる相談員を配置することが望ましいと考えます。

Q7-7 監理団体に配置する相談員は技能実習生の母国語に精通した者でなければな

  らないのですか?

A 相談員については、技能実習生の母国語に精通していることが望ましいのです

  が、そうでない場合であっても、必要に応じて通訳を確保して相談を行える体制

  が整っていれば差し支えありません。

Q7-8 監理団体が徴収する監理に要する費用とはどのようなものが想定されるので

  すか? また、監理に要する費用を徴収する場合の金額及び使途の明示はどのよ

  うにすればよいのですか?

A 監理団体においては,監理団体の責務として法務省令で規定される講習、監査及

  び訪問指導の実施、相談体制の構築、宿泊施設の確保、帰国担保措置等に要する

  費用を監理費用として実習実施機関等から徴収する場合には、技能実習生を受け

  入れる前にその金額及び使途を明示することとし、技能実習生に直接又は間接に

  負担をさせてはなりません。 また、金額及び使途の明示方法としては、実習実

  施機関等に対して技能実習生1名当たりの負担を求める金額を月単位又は年単位

  で明示するとともに、それに対する使途の内訳を在留資格認定証明書交付申請等

  の提出書類で明示してもらうことになりますが、具体的な様式については入国管

  理局で定めています。 なお、実習実施機関において雇用契約に基づき技能等修

  得活動を行っている期間中に労働関係法令に抵触しないことを前提とする宿泊施

  設・食事の提供、日用品の支給に係る実費を技能実習生から徴収することについ

  ては差し支えありません。

Q7-9 監理団体は職業紹介事業の許可等を得なければならないのですか? また、

  その理由は何ですか?

A 今回の研修・技能実習制度の見直しにより、技能実習生の入国1年目から、実習

  実施機関と技能実習生との間に雇用関係が成立するため、当該雇用関係の成立の

  あっせんを行う監理団体には、職業安定法等に規定する有料職業紹介事業又は無

  料職業紹介事業の許可等が必要となります。

        

8.在留資格「研修」                             

Q8-1 在留資格「研修」における実務研修の要件が変更されたのはなぜですか?

A 悪質な受入れ機関が非実務研修を装って研修生を受け入れ、低賃金労働者として

  扱うことを防ぐため、商品の生産を行っているか否かについて客観的に判別する

  ことが難しい行為を実務研修としたためです。

Q8-2 旧制度においては、地方公共団体が受け入れた研修生が技能実習へ移行して

  いる事例もありましたが、新制度においても同様の枠組みが残るのですか?

A 新制度において、地方公共団体による研修生の受入れは公的研修として引き続き

  在留資格「研修」で行うこととなりますが、改正入管法第20条の2第1項及び

  附則第5条の規定により、平成22年7月1日以降に在留資格「研修」で入国し

  た研修生が技能実習2号へ在留資格の変更をすることはできません。

          

9.技能実習2号への変更                            

Q9-1 技能実習1号から技能実習2号への在留資格変更を希望する場合、どのよう

  なタイミングで変更の手続をすればよいのですか?

A 技能実習2号は、旧制度と同様、技能実習1号で技能等修得活動に従事し、一定

  水準以上の技能等を修得した者が当該技能等に習熟するために当該技能等を要す

  る業務に従事する活動であるため、技能実習1号からの在留資格変更許可申請は

  原則として技能検定基礎2級等の試験を受験した後に行うことになりますが、技

  能実習2号への在留資格変更許可は同試験の結果が判明した後となります。

Q9-2 技能実習1号から技能実習2号への変更は、旧制度とどのような異同がある

  のですか。

A 改正入管法第20条の2の規定において、技能実習2号への変更は、技能実習1

  号で在留していた者からの申請に限定されており、変更基準省令で定めた基準に

  適合していなければなりません。 また、技能実習2号で行う活動は、技能等修

  得活動により一定水準以上の技能等を修得した者が当該技能等に習熟するための

  活動であり、これまで「特定活動」で認めてきた技能実習の活動内容と共通して

  います。 なお、旧制度の技能実習では、団体監理型で研修を行った場合、技能

  実習へ移行後は団体の監理から離れることになっていますが、改正後の技能実習

  2号では、引き続き団体の監理の下に技能実習を行うことになります。

Q9-3 技能実習2号においても実習実施機関に技能実習指導員及び生活指導員を配

  置しなければならないのですか?

A 改正法施行前の技能実習では、実習実施機関に技能実習指導員及び生活指導員を

  配置することを義務付けていませんが、改正法施行後は、技能実習1号から技能

  実習2号への変更基準省令において、技能実習2号でも技能実習指導員及び生活

  指導員が実習実施機関に配置されていることを要件としています。

    

10.経過措置                                  

Q10-1 今般の制度改正に伴う在留資格認定証明書交付申請に係る経過措置はどのよ

  うになるのですか?

A 実務作業を伴う「研修」を行うとして改正法施行前に本邦への入国を予定し、平

  成22年3月末までに在留資格認定証明書交付申請を行った場合は、当局の審査

  で時間を要した等の理由で本邦への入国が改正法施行後になったときでも「研

  修」の在留資格で入国することができます。

Q10-2 今般の制度改正に伴う技能実習2号への在留資格変更許可申請に係る経過措

  置はどのようになるのですか?

A 改正法施行後は、入管法第20条の2第1項の規定により、在留資格「技能実習

  2号イ」への変更は在留資格「技能実習1号イ」で在留している者、在留資格 

  「技能実習2号ロ」への変更は在留資格「技能実習1号ロ」で在留している者に 

  それぞれ限定されていますが、改正法附則第5条の規定により、改正法施行前に

  在留資格「研修」で本邦に上陸して引き続き在留する者は、在留資格「技能実習

  1号イ」又は在留資格「技能実習1号ロ」をもって在留していなくても、在留資

  格「技能実習2号イ」又は在留資格「技能実習2号ロ」への在留資格変更許可申

  請を行うことができます。  また、在留資格「研修」としての入国時の研修計

  画上の終期が平成22年6月末以前の場合には、変更基準省令は適用されません。

Q10-3 改正法施行後は、当分の間、新制度により在留資格「技能実習1号イ」又は

  在留資格「技能実習1号ロ」で在留する者と旧制度の在留資格「研修」で在留す

  る者が同一の団体や企業に混在することが見込まれますが、そのことによりトラ

  ブルが発生しないのですか?

A 研修生と技能実習生とでは、賃金の有無、時間外労働の可否等について処遇が異

  なることから、改正法施行後に技能実習1号に該当する案件については、改正法

  施行後できるだけ早期に研修生から技能実習生に一本化することが適切と考えて

  います。 そのため、当該案件については、改正法施行前であっても技能実習1

  号に係る在留資格認定証明書を交付できる規定を改正法の附則に盛り込んでいる

  ほか、平成22年1月1日以降に入国する団体監理型の研修生については、原則

  として在留資格「研修」(6月)により入国を認めた後、在留資格「技能実習1

  号ロ」(6月)へ在留資格の変更をするように措置しています。

Q10-4 改正法施行前に在留資格「研修」で入国し、施行後も在留資格「研修」で

  在留している者は、在留資格を変更しないまま技能実習1号と同じ活動を行うこ

  とができるのですか?

A 施行日以降も在留資格が「研修」のままであれば、就労活動を行うことはできま

  せん。

   

11.その他                                   

Q11-1 正法施行後も、技能実習生は再入国が制限されるのですか?

A 旧制度においては、研修生に対する再入国許可の審査をする際、研修生が研修先

  から失踪した者ではないことや当初の研修計画に著しく支障を来す恐れがないこ

  となどを確認するため、受入れ機関から研修生の一時帰国を了承する旨の文書の

  提示を求めることがありましたが、2年後のみなし再入国許可制度の導入を踏ま

  え、新制度では、これらの文書の提出が不要となり、数次再入国許可の取得も可

  能です。

Q11-2 改正法施行後は、監理団体の職員が技能実習生の在留期間更新許可申請等

  の取次ぎを行うことができるのですか?

A 入管法施行規則第19条第3項第1号の規定により、在留資格「技能実習1号

  ロ」又は在留資格「技能実習2号ロ」をもって在留する技能実習生に係る在留期

  間更新許可申請等については、監理団体の職員が申請取次を行うことが可能で

  す。

 

 

 

 

 

コメントをお書きください

コメント: 1
  • #1

    sextelefon (金曜日, 17 11月 2017 21:48)

    Karlik