中国の城管とは?

 「横浜のアオヤギ行政書士事務所」が最近、問題になっている城管につき、解説いたします。 ご質問やご意見は下記のフォームに記載のうえ、メールにて送信下さい。

 

 城菅(Cheng Guan)の正式名称は“城市管理行政执法局”と言います。 城管は中国のすべての都市に点在し、中国の政府機関とも地方機関とも称されています。 

 規約では、環境、 衛生、作業の安全性、公害防止、健康、緑化、産業、商業、環境保護、市の事務及び水中での執行と書かれています。 このように公安(警官)でもなく微妙な立場の人々ですが、昨今の人権侵害も甚だしい存在です。 城管は試験をパスした公務員以外に企業から来た人や、学生などもいますが、屈強な男性ぞろいです。 城管の多くは給料の安い臨時職員で、急速な都市化で人員不足となっていることから、チンピラまがいの人も雇用するなどしているといいます。

 たとえば、北京市では人口2019万人(2011年)に対して、城管1万3千人が勤務しています。 このうち約6千人が臨時職員で月給は約2千~3千元(3万2千円~4万8千円)といいます。 安い給料に対して、都市管理に関する多くの権限を持っているため不正に走りやすく、“罰金”と称して賄賂などを要求したり、没収した商品を横流ししたりするなどの行為が横行し、頻繁に理不尽な行動や暴力などで問題になります。 しかし、城管のなり手が少ないこともあり、当局が黙認するケースも多いとされています。

 小職は香港の4年間滞在しており、頻繁に中国に出張しました。 初めて天安門広場に立った時、照明器具に取り付けられた監視カメラの数の多さに驚きました。 天安門事件以前に、現状不満の不穏分子が何度でも頂点を極める習いなのを、共和国の為政者はよくご存知なので、ネットを含めて不穏な芽は若いうちに摘まなくてはならないのでしょう。 国家転覆を計るまでとはいかない小競り合いを、城管を投入して起こし、様子を見て、城管側に楯突くまともな活動家などを予めマークする余禄を当局が期待しているのかもしれません。

 中国の各都市で露天商の無許可営業や違法駐車なども取り締まる城管の不正や横暴ぶりに、市民らの怒りが高まっています。 ネット上では露天商らに殴る蹴るなどの暴行を加える城管の映像が数多く投稿されているほか、城管に反発する市民らとの衝突も頻発しています。 日本でも露店の立ち退きなどをめぐって騒ぎになることはありますが、中国では、国家体制を揺るがす不安材料の一つともいわれています。

 丸腰だった城管の武装化が進んでいます、湖北省武漢市の城管局は昨年、「武装部」を設立しました。 火器を用いた戦闘訓練を行い、有事の際には解放軍とは独立した民兵活動を行うといいます。 浙江省寧波市や江蘇省高郵市の城管局でもすでに類似の武装組織が設立されて、尖閣問題をめぐる反日デモの際、「中国最凶部隊を尖閣へ派兵せよ」という冗談もネット上で広まったりしました。 現在、いずれも数百人規模の小集団ですが、今後人員増強されれば地方軍閥化の可能性も指摘されています。 ちなみに中国は、地方軍閥の反乱によってたびたび王朝が打倒されてきたという歴史がありますが、中国遼寧省瀋陽市で城管2人を殺害し、正当防衛を主張していた元露天商の死刑が執行されました。 一方、英国人を毒殺した殺人罪に問われた元共産党政治局員・薄煕来被告の妻は昨年8月、死刑執行を免れており、市民や知識人の間では「法の不平等」への怒りの声が拡大しています。 中国では、城管が市民に暴行を加えたり金を要求したりするケースが横行し、元露天商への死刑執行で民衆の不満に火が付いた形です。 夏俊峰・死刑囚の妻は25日、短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」を通じ、死刑執行前に家族との写真を撮らせてほしいと裁判所に求めたが、認められなかったと明らかにしました。 中国の人権派弁護士25人は執行に抗議する声明を出しました。 元露天商は2009年5月、城管と言い争いになり、2人を殺害、11年5月に死刑判決が確定しました。 死刑執行が伝わると、インターネット上で元露天商を追悼し、当局を批判する声が拡大しました。 中国には法治国家の理念が全く無く、全ては政治が優先します。 法の下の平等や司法の独立と言う概念も無く、国家権力の前に立ち塞がるものは何も有りません。 国家から見て国民はもの言う家畜であり、共産党幹部こそが一人前の人扱いです。 

  城管と解放軍の大乱闘が2013年9月4日午後5時、山東省青島市石老人村で発生しました。 軍の高級幹部用マンションに付属するマンション管理棟がその敷地をはみ出て建てられた違法建築物であることから、現地の城管が自治体の指示で管理棟を取り壊しに行ったところ、これに反対する解放軍兵士が解体を妨害、乱闘となりました。

人数的に勝ち目もなくボコボコにされた軍兵士は銃を持ち出そうとしたそうですが、事前の申し入れから経済格差で豪華なマンションがこれ以上注目を引くことを恐れた軍幹部が青年兵士たちを押しとどめ、なんとか殺傷沙汰にはならなかったとのことです。http://jasmineplaces.blogspot.jp/2013/09/228.html

http://www.youtube.com/watch?v=0Bmc3gSl-3A

http://www.youtube.com/watch?v=9nRennVUoyg

黒い服に防具を着用しているのは武警(日本で言う機動隊)でしょう。  解放軍は共産党、城管は国務院国家安全局、警察は自治体の指揮下にありますので、この3つはよく武力衝突します。 中国の抱える火種はこんなところにもあるのですネ。

 

 

 

 

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コメント: 4
  • #1

    sekstelefon (金曜日, 17 11月 2017 22:52)

    brunatnordzawy

  • #2

    Cebu-tokyo (日曜日, 18 10月 2020 01:04)

    中国人が言うチンピラ(=城管)について・・・・とてもわかり易い解説で納得しました。
    ありがとうございます。
    m(_ _)m

  • #3

    まちこ (月曜日, 24 1月 2022 14:55)

    日本人は中国のこういった実態を知るべきですね。特に政治家。

  • #4

    (金曜日, 28 4月 2023 22:48)

    分かりやすい解説でした。
    知らなかったこともあり、ありがとうごさいます。