「横浜のアオヤギ行政書士事務所」が離婚に伴う財産分与とそれに課せられる税金について解説致します、ご意見やご質問は下記のフォームに記載のうえ、メールにて送付下さい。 なお、返信希望のご質問には、貴メールアドレスの記載をお忘れなく。 ご要望、必要に応じて弁護士・税理士などの専門家を紹介致します。
財産を分与する側にかかる税金
離婚により相手方から財産を貰った場合、通常、贈与税はかかることはあるませ
ん。 これは、相手方から贈与を受けたものではなく、1)夫婦の財産関係の清算、
2)財産を受取る側の離婚後の生活保障のための財産分与請求権に基づき給付を受
けたものと考えられるからです。 これらの趣旨を逸脱しない範囲内の額であれ
ば、贈与という性質のものではないため、贈与税は課せられません。
しかし、以下の場合には、贈与税が課せられますので、注意して下さい。
1.その分与された財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産額やその他一
切の事情を考慮しても、多過ぎる場合は、その多過ぎる部分に贈与税が課税さ
れます。
2.離婚が贈与税や相続税を免れるために行われたと認められる場合は、離婚によ
って貰った財産全てに贈与税が課税されます。(相続税法基本通達9-8、所得
3.土地や建物等の不動産の場合
この場合は財産分与者の側に譲渡所得税が課税される事になります。 譲渡
取得税は、土地や建物の売却益から取得費用等を差引いて算出します。
財産分与の場合、その対象となる不動産の価格は分与時点の時価で評価します
(所得税基本通達33-1の4)。 不動産購入時より時価の方が低ければ、譲渡
所得税はかかりません。 仮に、財産分与で名義変更を行う際に、不動産購入
時より時価が高ければ、その差額に課税されます。 一方、A)20年以上婚姻関
係を継続している夫婦間での居住用財産の贈与は基礎控除110万円に加えて、
最高2000万円の配偶者控除を受けることが出来ます(相続税法21条の6)。
B)居住用不動産であり、譲渡する相手が親族でない場合は時価3000万円まで
の譲渡益が非課税となります。 A)の制度を利用するには離婚成立前に所有権
移転する必要があり、B)の制度を利用するには離婚成立後に所有権移転する必
要があります。
また将来、分与を受けた土地や建物を売った場合には、財産分与を受けた日を
基に長期譲渡になるか短期譲渡になるか判定することになります。
財産を受け取る側に係る税金
不動産所得税は、不動産取得の事実を課税客体とする地方税(都道府県税)です。
財産分与には、1)清算的財産分与、2)慰謝料的財産分与、3)扶養的財産分与
があります。 清算的財産分与の場合、実質的には妻名義の財産であるが形式的に
夫名義の財産を、形式的にも(名実ともに)妻名義にすることになり、妻による新
規の不動産取得は存在しませんから、不動産取得税の対象外になります。 これに
対して、慰謝料的財産分与と扶養的財産分与の場合、名実ともに夫から妻に財産移
転があり、妻による新規の不動産取得の事実が存在しますから、不動産取得税の対
象となります。 その税率は、定資産課税台帳に登録されている価格に3%(土地建
物のうち住宅の場合、住宅以外の場合はを4%)、土地の場合はその1/2を乗じた価
格が不動産取得税となります。 軽減措置として、婚姻後に取得した不動産を財産
分与とする場合は1/2に軽減されます。 建物については1200万円を固定資産評価
額から控除されます。 その他の軽減措置の詳細は都道府県庁にご確認下さい。
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