帰化

 先日、関取の琴欧洲が31歳で引退を致しましたが、相撲協会の年寄要件(日本人であること)をクリアーする為か?帰化しました。   「横浜のアオヤギ行政書士事務所」につき、解説いたします。 ご質問やご意見は下記のフォームに記載のうえ、メールにて送信下さい。 なお、返信希望のご質問には、貴メールアドレスの記載をお忘れなく。

 

帰化とは

 国籍法第4条第1項に「外国人は帰化によって日本の国籍を取得することが出来る」と規定されています。 即ち、帰化とは外国の国籍を喪失して日本国籍を取得する、日本人になることです。 当然ながら、参政権が認められ、日本国民としての権利義務が生じます。

 帰化申請は住所地を管轄する法務局又は地方法務局に本人が出頭して書面で帰化の許可申請をします。

 一方永住がありますが、永住ととは全く異なるものです。 永住許可取得は取得後も外国人で、在留活動の制限はなくなりますが、退去強制事由に該当すれば退去強制の対象となり参政権は認められず在留カードや再入国の手続きが必要であります。 永住許可申請は入国管理局で書面で許可申請をします。

 

 帰化の要件国籍法5、6、7、8、9条

国籍法5条(基本要件)

  1)引き続き5年以上日本に住所を有すること。

  2) 20才以上で本国法によって能力を有すること。

    例えば、米国人の帰化申請は米国法によって能力を有することが必要です。

  3)素行が善良であること(前科や非行歴の有無、所得申告、納税義務)。

  4)自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を  

    営むことができること(同居していなくてもよい)。

  5)国籍を有せず、又は日本の国籍を取得によってその国籍を失うべきこと。

  6)日本国憲法施行日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴

    力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張

    する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと。

   国籍法に条文として規定されていませんが、当然に日本語の読み書き、理解、 

   会話の能力が必要です。入管担当官の許可基準は「小学校3年生以上の日本語

   能力」とのことです。

2.国籍法第6条(住所の緩和規定)

  日本と特別の関係のある外国人で、現に日本に住所を有する者については、継続

  して5年以上日本に住所を有していなくても、他の条件が備わっていれば、法務

  大臣は帰化の許可をすることができます。

  1)日本国民であった者の子(養子を除く)で引き続き3年以上日本に住所又は

    居所を有する者。

  2)日本で生まれた者で引き続き3年以上日本に住所若しくは居所を有し、又は

    その父若しくは母(養父母を除く)が日本で生まれた者。

  3)引き続き10年以上日本に居所を有する者。

3.国籍法第7条(住所・行為能力の緩和規定)

  日本国民の配偶者に対する緩和規定であり、このような場合でも帰化の許可をす

  ることが出来ます。

  1)日本国民の配偶者たる外国人で引き続き3年以上日本に住所又は居所を有

    し、かつ、現に日本に住所を有する者。

  2)日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から3年を経過し、かつ、引き続き

    1年以上日本に住所を有する者。

4.国籍法第8条(住所・行為能力・生計の免除規定)

  次の1)~4)の者については、帰化の条件(国籍法第5条第1項各号)のうち

  住所、行為能力、生計に関する条件を備えていないときでも帰化の許可をするこ

  とが出来ます。

  1)日本国民の子(養子を除く)で日本に住所を有する者。

  2)日本国民の養子で引き続き1年以上日本に住所を有し、かつ、縁組の時本国

    法により未成年であった者。

  3)日本の国籍を失った者(日本に帰化した後日本の国籍を失った者を除く)で

    日本に住所を有する者。

  4)日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有しない者でその時から引き続き

    3年以上日本に住所を有する者。 

5.国籍法9条(特別規定)

  日本に特別功労のある外国人については、法務大臣は、国籍法第5条第1項の規

  定に拘らず、国会の承認を得て、その帰化を許可することが出来る。

 

帰化許可申請の必要書類

 個人によって提出書類がかなり異なりますので、申請前に管轄法務局に相談することが基本です。 また、申請後も追加書類の提出を要求されることが多々あります。

1.帰化許可申請書 (帰化許可申請書記載例)

   申請者全員分が必要です。

2.親族の概要を記載した書面

3.各自が自筆で書いた動機書(15歳未満は不要)

4.履歴書(15歳未満は不要)

5.宣誓書(15歳未満は不要、係官の面前で直接作成するもの)

6.生計の概要を記載した書面(事業者は事業の概要も必要)

7.在勤及び給与証明書

8.居宅、勤務先付近の略図

9.本国の戸籍謄本など身分関係を証する書面

   身分関係を証する書類とは、出生証明書、婚姻証明書、親族(親子)関係証明

   書などです。 これらの書類には翻訳者を明示した翻訳分を添付します。

   本国から郵送で取り寄せた場合は郵送してきた封書も添付します。

10.家族の各種届出記載事項証明書(出生、死亡、婚姻等)

11.外国人住民票

12.納税証明書(源泉徴収票、住民税、固定資産税等)

13.本人の写真(6ヵ月以内5cm四方、上半身)・家族のスナップ写真

14.その他(卒業証明書、在学証明書、資格等を証明する書面、運転記録証明書)

 

当事務所の帰化許可申請の流れ

 1.依頼者からのご相談・ご依頼

 2.住所地を管轄する法務局の国籍・戸籍課に事前相談(本人・行政書士)

   相談時に申請書類一式が手渡されます。

 3.必要書類の取寄せ・申請書の作成

 4.法務局に帰化許可申請書を提出

   本人が直接法務局に出頭、行政書士は同行

 5.法務局は書類の点検後受理、審査開始

   通常、申請書が受理されれば、殆どのケースで帰化許可されています

 6.法務局から面接の日時の連絡(申請後1~2ヵ月)

   通常平日を指定されますので、本人が法務局に出向き、本人のみで面接

   主に、申請書に記載している内容の確認、日本語の能力を確認

   所用時間30分~1時間、通常は1回の面接で終了しますが、疑義が生じたリ、必

   要と面接官が判断した場合、後日再度面接を指定されます。

 7.法務大臣により決裁

 8.許可の場合は官報に告示・本人へ通知(不許可の場合は本人に通知)

 9.身分証明書の交付

 10.在留カードの返納・帰化の届出

 

 帰化許可申請が不許可の場合

 不許可処分は法務大臣から不許可通知書が送付されてきます。 不許可通知書には不許可の理由が記載されていますので、再申請(何度でも可能)するときには参考にして下さい。

 税金の滞納や、道交法違反履歴で不許可になる場合が多く、法務局職員との事前打合せの時に詳細についてアドバイスをして貰えることがあります。

  不許可処分に納得がいかない場合は、「行政事件訴訟法」に法り取消を求める処分にあたると最高裁の判例があり(平成3年7月18日)、取消訴訟を提起することが出来ます。 しかし、帰化許可処分は法務大臣の裁量に委ねらていますので、「行政不服審査法」の不服申立てをすることは出来ません。

 

帰化許可の自発的取消

 帰化許可申請において著しい虚偽があったことが判明した場合に国から取消されるのは当然のこととして、帰化許可がおりてから、帰化許可を自分から取消することが出来るのか? 以前はこのような事を考えるひとは殆どいなかったですが、最近は中国人の帰化が増加していることから、後から後悔して又はいろいろな事情があって、帰化許可取消しの相談もあります。 しかし、告示取消を除き、自分から帰化の取消しの申出は認められておりません。 最高裁判例では、帰化許可という行政処分が行われた限りは、重大かつ明白な違法が存在しない限り無効とはならないとされております。 

 

帰化後の手続き

 申請者は、法務局から帰化許可の通知を受領し、指定された日に出頭し、帰化後の手続きにつき説明をうけます。 そこで「帰化者の身分証明書」を受領し、戸籍等の手続きをすることになります。

 帰化が許可になっても日本人としての戸籍や住民票はまだありませんから「帰化者の身分証明書」を持参して市区町村役場又は別に定めた本籍地に帰化届を提出し、入管局経由して法務大臣に在留カードの返納を行います。 「帰化の届出は、帰化したものが、告示の日から1ヵ月以内に、これをしなければならない」と戸籍法に規定されておりますが、実務上は「帰化者の身分証明書」を発行した日が、1ヵ月の起算日となっています。また、それぞれの国により本国法に違いはありますので、それぞれの本国法に従い、基本的には国籍喪失の手続きを行います。 なお、多重国籍可能国がかなりありますので、注意が必要です。

 多重国籍を認めている国は、アメリカ合衆国ロシアカナダメキシココロンビアブラジルペルーパラグアイウルグアイイギリスアイルランドフランスイタリアスイスポルトガルフィンランドイスラエルトルコナイジェリアモロッコ南アフリカ共和国コートジボワールオーストラリアニュージーランド台湾フィリピンなどです。

 

帰化Q&A 

Q1:留学ビザで日本に居住していますが、日本国籍を取得(帰化)できますか?

A1:留学ビザのままでは難しいので、他のビザに変更してから帰化申請することを

   お勧めします。

Q2:借金があっても日本国籍を取得(帰化申請)できますか?

A2:借金の目的にもよります、借金をしないと生活が成り立たないということに
   なると、日本国籍の取得(帰化許可)は難しいです。 しかし、常識的な範囲

   内の住宅ローンなどであれば、問題ありません。

Q3:自己破産歴があっても日本国籍を取得(帰化)できますか?

A3:ケース・バイ・ケースです。 破産から5年程度がたち、現在は生計を営むこ

   とができている場合には日本国籍の取得が認められることが多いようです。
Q4:無職でも日本国籍を取得(帰化申請)できますか?

A4:無職であっても、「生計を営む」ことができている場合は、問題ありません。

Q5:犯罪歴があっても日本国籍を取得(帰化)できますか?

A5:内容によります。 直近に大きな犯罪を犯していれば、「素行が善良である」

   と認められません。

Q6:交通違反歴があっても、日本国籍を取得(帰化)できますか?

A6:軽微な交通違反は帰化に影響しませんが、頻度な場合や、飲酒運転で捕まった

   場合は、数年間帰化の申請ができません。
Q7:帰化申請中に海外旅行や海外出張はできますか?

A7:できますが、なるべくお控えください。 居住要件を満たせなくなる場合があ

   ります。 また、帰化許可の時点で海外にいると、日本出国時に母国が交付し   

   たパスポートや旅行証が無効となり、問題が生じる可能性があります。

Q8:日本国籍取得(帰化)後の名前に制限はありますか?

A8:日本風の名前にしてもよいですし、母国における本名を日本名にしてもよいで

   す。 ただし、ひらがな、カタカナ、人名漢字で表記できるものでなければな

   りません。

Q9:帰化申請をしてから許可がおりるまでの期間は?

A9: 通常1年程度です。 特別永住者の方は、6ヶ月から8ヶ月程度です。 
Q10 : 私は「韓国籍」ではなく、「朝鮮籍」です、韓国の登録基準地(旧戸籍の本

   籍)等がわからないのですが、帰化はできるでしょうか?

A10 : 帰化の申請は「韓国籍」、「朝鮮籍」に関係なく可能です。 ただし、朝鮮籍

   であっても、韓国に本籍があるのが在日のほとんどであり、本人は戸籍整理が

   されていなくても、そのご両親の戸籍があり、その除籍謄本を取り寄せること

   ができる場合もあります。また、無くても帰化が可能な方法もあります。

Q11 : 私は、日本人の男性と結婚し子供が一人いるのですが、その場合、普通の方よ

         りも早く帰化ができるのでしょうか?

A11 : 日本人の方と結婚しているからといって、帰化が早く許可されるものではあり

         ません。   通常の方と同じような期間がかかります。   また、もちろんご主人

         の日本の戸籍謄本や住民票、所得に関する証明書等が必要となります。  

Q12 : 私は、両親や兄弟と同居していますが、今回、結婚の予定がある私だけが帰化

         申請をしたいのですが、できますでしょうか?

A12 : 帰化申請は、世帯単位で行なうことを原則としていますが、あなたのように事

         情がある場合には、あなただけでも帰化申請をすることもできます。ただし、

         生計に関する事項は、原則どおり世帯単位で必要としますので、あなたのご両

         親やご兄弟の所得や納税関係の書類も必要となることがあります。
Q13 : 帰化申請は必ず本人が法務局に行かなければなりませんか?

A13 : 必ず申請者ご本人が申請書類を持参して法務局で行います。 行政書士が取次し

   て申請することは出来ません。 ただし15歳未満の申請者の場合は、両親など

   の代理人が行います

Q14 : 私は、離婚して、現在は小学生の子供2人を含め、3人で生活しています。    

         生活は、私のパート収入と母子手当をもらってなんとか生活していますが、そ

         のような場合でも帰化申請はできるでしょうか?

A14 : 母子手当や児童手当等の国や市町村からの手当を含めてやっと生活ができるよ

         うな方でも、帰化申請が可能です。   パート収入や家賃等、総合的に判断して

         考えていきます。   もちろん、単に離婚したからといって、帰化申請が不利に

         なることはありません

Q15 : 私は、自分で会社を経営しているのですが、ここ1、2年は確定申告は赤字と

         なっています。   このような場合でも帰化申請はできるでしょうか?

A15 : 中小企業においては、経営状態がよくなく、赤字となっている企業もありま

         す。   ここ1、2年が赤字経営となっているから必然的に帰化の在留資格をと

          れないものではありません。 その他、総合的な判断で許可されます。

Q16 : 帰化をした後に、日本の戸籍謄本に帰化をしたということが記載されますが、

   それを消せる方法があると聞いたのですが?

A16 : 帰化後、日本の戸籍謄本が作られるのですが、そこには何年何月何日に帰化を

         したということが記載されます。   そして、あなたのおっしゃるように、その

         戸籍謄本から帰化の事項が削除される場合(方法)があります。  しかし、その

   戸籍謄本から除籍謄本を手繰り寄せれば、帰化事項記載の除籍謄本は出てきま

   す。

Q17 : 私には、今、日本人の婚約者がいるのですが、帰化申請をするとしたら、結婚

         前にするのがよいのでしょうか、又は、結婚後にするのがよいのでしょうか?

A17 : 一概には言えませんが、あなたの現在の所得や婚約者の方の職業等により、多

         少、必要書類の量が多くなったり、少なくなったりする程度です。

 

 

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コメント: 3
  • #1

    sek stel (金曜日, 03 11月 2017 20:30)

    rodzinnemu

  • #2

    キンさん (水曜日, 31 10月 2018 22:29)

    帰化申請中です。
    法務局の方から最終確認の電話があり、2ヶ月以上経ってます!
    後もう少しのところまできてるのに、固定資産税を滞納してしまって、会社まで督促状が届いてしまいました。
    すぐに支払いをしたのですが…不許可になりますか?

  • #3

    青柳行政書士 (木曜日, 01 11月 2018 09:25)

    キンさん、
    当職の経験で、会社の所得税の滞納があったケースでは、帰化不許可又は帰化申請取下げの指導されました。  固定資産税を滞納したことに対して、正当な理由を説明できれば良いですが、そうでなければ、不許可になる公算が大きいと考えます。
    入管の永住許可申請でも、固定資産税や国民健康保険税に滞納が発覚すると、ほぼ不許可処分になります。